チェコの店員の接客態度とその攻略法

ネットでチェコを旅行した人の感想を目にすると、不愉快な体験をした人も少なくないんだな、と気づきます。
日本人旅行者がチェコのことを嫌いになるとしたら、おそらく原因のトップは「店員の態度の悪さ」ではないでしょうか。

日本人の常識からは考えられない態度の人も少なくなく、スーパーのレジで買った商品を投げるように渡されるなんてことも珍しくありません。慣れてしまえば平気なのですが、わたしも最初はショックでした。

私の経験で一番ひどかったのは、まだチェコ語が全く出来なかった頃に、プラハのスーパーで買い物をし、お釣りが50Kč(約250円)足りなかったとき。
レジが混んでいる時間帯で、レジ打ちの若いお兄ちゃんもテンパっていたのですが、250円は見逃せないと思い、まず「Do you speak English?」と聞いたら「No」と言われたので、簡単な英語は分かるんだと判断し、カタコトと身振りで50Kč足りないことを伝えました。お兄ちゃん、テンパり過ぎてお金の箱から20Kčを投げるように渡してきました。「まだ足りない」と言ったら10Kč追加でパス、「まだ」と言ったらさらに10kc、もう一回「まだ」と言ってやっと足りなかった50Kč全額をゲットしました。その間、お兄ちゃんはレシートなんて確認していません。私が100Kčと言っていたら100Kč貰えてたと思います。チェコのお店、閉店後のレジの残高めちゃくちゃに違いありません。

こういった日本ではありえない無責任店員が今までのワーストで、明らかに相手に比があるパターンですが、普段はそれほど悪い体験をしたことはありません。日本の素晴らしい店員さんたちのような笑顔は無いにしろ、普通に仕事はしてくれるので困ることもありません。時々、とっても感じの良い人もいて、近所にはお気に入りの店員さんも何人かいます。

飲食店の店員も日本人の感覚からするとだいたい無愛想です。店に入った瞬間の「いらっしゃいませ〜(笑顔)」と席への案内が無いことが日本人にとっては歓迎されていないように感じるかも。
誤解を解くために言うと、これは単に文化の違いで、チェコでは客が勝手に入って行って席を探すシステムで、「いらっしゃいませ」の代わりにテーブルに着いた後に、必ず店員も客も「ドブリーデン(こんにちは)」の挨拶をします。
日本人は「いらっしゃいませ」の言われっぱなしに慣れているので挨拶を返さない人もいるかもしれません。そうすると、チェコ人からすると失礼に感じることになります。

日本人は礼儀正しい国民として知られているけれど、挨拶を返されなかったチェコ人店員からすると「日本人(またはアジア人)は挨拶も返さない失礼な人たち」と思ってしまったかもしれません。

私はチェコ語初心者ですが、外出先での最低限のやりとりを出来るようになった頃から、店員の態度を不満に思うことが無くなった気がします。たとえ下手でもチェコ語で話そうとすると相手も嬉しく、それが接客態度に表れると思うのです。逆の立場で考えると分かりやすくて、日本で外国人にいきなり英語で話しかけられるより、挨拶だけでも日本語で言ってもらえるとなんとなく安心するし世話を焼きたくなりますよね。相手が英語が出来るか出来ないかを尋ねもしないでいきなり英語で話しかけるのは少し高圧的だと思います(プラハのような観光地で観光客相手の店だったら全く問題ありません)。観光客向けでない場所では「すみませんが英語で話してもいいですか?」くらいは最初に尋ねるのがマナーだと思っています。

チェコで嫌な思いをした人たちの体験談を読んで、国外旅行へ行く時の自分の態度を振り返ったのでした。以前は、わたしも不躾に英語で通そうとしていたなぁ、と。国外旅行に英語はもちろん必要なのですが、今は以前よりその国の言葉を少しでも覚えようという気持ちが強くなりました。
自分次第で相手は変わります。旅先で嫌な思いしたくないですもんね。

チェコの店員さん達、一部の本当に態度の悪い店員を除いては日本と同じでみんなきちんと仕事はしてくれます。接客スマイルとお客様は神様主義さえ求めなければ、うまくやっていけると思います。