チェコ大統領選2018を見て。親ロシア・反移民派のゼマン氏が再選

先日、チェコの大統領選があり、現職のミロシュ・ゼマン(Miloš Zeman)が次期大統領に決まりました

チェコは、「大統領」と「首相」の両方がおり、政権を担うのは首相の方。大統領は、いわゆる国の顔で、大事な役目は「首相の任命」や「法案の拒否」などです。候補者も政治家である必要はありません。とはいえ、発言に大きな影響力はあるので、誰でも良いというわけでもなく、直接選挙で選ばれます。
 

チェコの大統領選挙の方法

直接選挙で、一位の人が過半数を獲らなければ、2週間後にもう一度投票を行います。2回も投票に行かなければいけないなんて面倒ですが、今回も残念ながら一回では決まらず、二回投票がありました。

  • 一回目の投票 1月12・13日(投票日は二日間)
    一位のゼマンの得票率が38.56%だったため、二位で得票率26.60%のイジー・ドラホシュ(Jiří Drahoš)と決戦投票をすることになりました。
  • 二回目の投票 1月26・27日
    一回目から2週間しか期間がないので、一回目の時にはあった選挙のお知らせ的な郵便も届きません。身分証持って投票所へ行くだけでOK。

 

チェコ大統領選の選挙活動

チェコの選挙活動は、チラシを配ったり、テレビの討論番組に出たりすることがメインです。

これは一回目の投票の前に郵便受けに入っていた各候補のチラシ。
以前の下院選挙の時は、それぞれ政党のテーマカラーを使っていましたが、今回みんな色が「青・赤」でお揃いになっちゃってます。「国を代表する大統領選だし!」ってことでチェコ国旗の色を使ったらみんな同じになったんでしょうね。


 
そして、こちらは決選投票の前に入っていたゼマンとドラホシュのチラシ。
ドラホシュ(左)は、遠回しにゼマンをディスっていますが、まぁ普通のチラシの範疇です。対してゼマン(右)の方は、「ストップ 移民&ドラホシュ この国は私たちのものだ!」と穏やかじゃありません。ゼマン自身は「選挙活動しない」と公言していたらしいので、これは応援グループや企業が作ったものでしょうか。ネガティブキャンペーンに慣れていない日本人的感覚だと「逆に感じわるない??」ですよね。


 
以前、別の選挙の時も薄々気づいていたのですが、ゲームとかクロスワードパズル入れてるチラシが多いんですよね。ゴミ箱に直行させない対策かと思われますが、このスペースを使って有益なことでも書いた方が効果的なのでは・・・。なお、クロスワードパズルの内容はいたって普通の、政治とは何の関係もないただのクロスワードです(笑)。

 

チェコ大統領選の争点

今回の大統領選の争点は「移民政策」でした

チェコは今のところはイスラム圏からの移民は少なく、深刻な移民問題は起きていません。今後もし移民が増えたら治安に影響するだろう、と恐怖を煽って「反移民・反イスラム」を強く打ち出したのがゼマンです。移民に関しては両候補とも反対していますが、ゼマンの方がその点をより強く訴えました。

移民政策以外で2候補の特徴をざっくり分けるなら、

ゼマン→「親ロシア・中国」「高齢者・地方住民から指示

ドラホシュ→「親EU」「若者・都市住民から指示

投票結果を地図で見ると、分かりやすく都市部(特にプラハ周辺)で親EU派のドラホシュが人気です。

が、チェコ国民の選んだ結果は、「ゼマン 51.4% vs 48.6% ドラホシュ」という僅差でゼマン。地方住民と高齢者を味方につけたゼマンは強かった。なんかどこかの国と似てますね。

チェコがロシア・中国に近づくのか、西欧に近づくのかという視点では、ゼマンの勝利により、ロシア・中国に一歩近づいたわけです。

 

親ロシア・中国の大統領が当選して思ったこと

日本、さらにアメリカ大統領選やイギリスEU離脱国民投票の時にも思ったのですが、自分のSNSだけを見ていると、自民党やトランプやEU離脱に票を投じる人なんていないでしょー、と思うんですよね。で、結果を見るとだいたい真逆で、「世の中には自分とは違う価値観の世界に生きている人が沢山いるんだなぁ・・・」と思い知らされるわけです。
今回のチェコ大統領選でもまた同じ感覚を味わいました。チェコに来てまで自分の得ている情報が偏っているとは。選挙、難しいです。
 

2 Replies to “チェコ大統領選2018を見て。親ロシア・反移民派のゼマン氏が再選”

  1. junjusia より: 返信

    選挙チラシにクロスワードとは考えますね(笑)特に年配の方ってクロスワードと数独してる人多く見かけるので、彼らを取り込むにはいいのかも。

    パートナーから、チェコはEUの中でもEU支持の割合が低いほうだと聞きました。彼いわく国民性で、自分たちの国だけで満足できるとかなんとか。逆にポーランドはEU支持が一番高く恩恵を受けているのを実感しているのだそう。
    住んでみていかがですか?うちのポー人の言ってる事本当かしら?(笑)

    日本の選挙も、若い人や都市部の人と田舎のそれでは全然意見が違いますよね。日本の選挙の時は夫婦間で支持政党や支持対象が異なって、選挙のたびに離婚を考えるほどストレスを感じる人もいるとよfacebookのタイムライン流れてて、本当に深刻だわ…と思いました。幸い我が家は政治的嗜好が同じなので助かってます。

    1. ポーランドでもクロスワードと数独ご年配に人気ですか!笑 チェコでは売店とかにめっちゃ売ってます。

      ポーランドはEU支持率高いのですねー。お隣りの国でも違うものですね。
      確かに、言われてみればチェコ人は国内で満足している人が多いのかもしれません。そもそもあまり外国(特に西)を意識している感じもしません。都心のビジネスマンや国外に住んだことがある人なんかをを除いては。
      EUのおかげで当然経済的に恩恵は受けているとは思うんですけど、身近にある製品や食品はチェコブランドが多くて、大多数の国外に出ることが少ない市民にとっては恩恵受けているのかどうかよく分からないし、EUでいる必要性を感じる機会が無いのかも。
      チェコでもEU離脱の国民投票をするだのしないだのという話があるので、万が一国民投票があったらうっかり離脱しちゃうんじゃないかと不安です。

      夫婦で同じ政党を支持する必要は無いにしろ、あまりにかけ離れていると「えっ、そんな人に投票するん?!あんた正気?!」となってしまいそうです・・・。その辺とプライベートを割り切って考えるのが苦手な日本人ですしね(笑)。日常生活に対する価値観から支持する人を決めると思うので、他のことでも色々すれ違いそう・・・。

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