日本とチェコの文化の違い 〜鼻はすするべからず〜

ペトルと知り合ってすぐの頃、お互い知らなくて驚いたマナーの違いがありました。

 《 鼻をすする vs 鼻をかむ

私は、鼻が出そうな時、少しであればすすって済ませます。
もちろん程度によります。風邪や花粉症で沢山出てくる時は、トイレなど人目の無いところへ行ってかみます。日本人、特に女性は公共の場で鼻をかむ人はあまりいないですよね。絶対ダメって訳では無いけどなんとなく恥ずかしいし。

チェコ人(おそらくヨーロッパの人は大体?)は鼻をすする音が大嫌い。
その代わり、TPO問わず遠慮なくティッシュやハンカチで鼻をかみます。日本にいる外国人が、静かなレストランで豪快にかんでいるのを見かける事があるかもしれません。日本人からするとビックリしますが、彼らとしては、かむ音は全然オッケーだけど、少しでもズルっていう音をさせるのは厳禁だそうで。「うわっ…」って思うんだそうです。

そして、鼻をかんだ後は一度使ったティッシュをポケットにしまっておいて後でまた使います。最初は「えーー汚い!」と思ったのですが、確かにチェコのティッシュは分厚くて丈夫なので、ポケットの中が汚れるという事もなさそうです。
ちなみにハンカチは、手や汗を拭く用では無く、鼻をかむ為に持ち歩くもの。日本の柔らかいティッシュ(日本人には柔らかいほど良いのですが・・・)では物足りないんだそうです。

ペトルは日本にいた時、公共の場で鼻をかむ事が、日本人にとってあまり好ましく無いと知ってからすごく気にして、物凄く静かに鼻をかむテクニックを身につけました(笑)。ちょっとくらいならすすっていいんやで、と思うのですが、すするのだけは自分的に許せないそうです。そして、電車などで他人のズルズル音を聞くのはツラそうでした。

私の方は、日本でもペトルの前では出来るだけすすらない様にし、チェコに来てからは外では特に気をつけています。鼻をすする音が不快だというのは理解できますし。

 
ズルズル音と言えば少し前に話題になった「ヌーハラ」。外国人観光客に配慮して麺をすする食べ方を止めるべき、というもの。

グローバルなマナーを気にするのは結構だけど、麺の事だけそんなに悪者にする必要ある??と違和感を感じます。
日本で外国人をホストしていた時、一緒に麺類を食べる機会があったら、わたしはまず音を立てない様に注意して食べつつ、必ず「日本人の麺すする音って不快に感じる?忌憚のない意見を!」と尋ねてきたけど、一度も「不快、気持ち悪い」という答えを聞いた事はありません。なんなら「真似してみたいのに上手くすすれない!」と言い見本を見せる羽目になったこともあります。

もちろん不快に感じる人がいるというのも分かるし、自分もよその国(その国は口を開けて物を食べる人が多い)で不快な思いをした事はあるけど、郷に入れば郷に従え。自分がよその国におジャマしている時は、自分の感覚で相手に習慣を直せとは全く思いません。多くの外国人観光客は日本の習慣を多少は学んで来るし、たとえ知らずに来ても何度か目にすれば気づきます。そんなに過保護にする必要はないと思います。

ヌーハラの心配をする前に、外国人に何が本当に不評なのかをリサーチして欲しいです。「鼻をすする音」のように、きっと日本人が想像しなかった「実は外国人が不快に思っていること」が沢山あるはず。
まず知識として知ること。知っていれば気をつけることが出来る、それで十分なのではないかと思います。

 
わたし自身、きっと冬のヨーロッパで鼻すすった前科があると思います。知らなかったせいでマナー違反していたのですよね。恥ずかしいです。

 
とある日のお昼ご飯。いかにも家のうどん、という野菜たっぷり具合。音は控えめでいただきました。