チェコのレストランでアレルギー食材を知るには


 
とあるチェコ料理レストランのメニューです。
肉料理、チーズフライやハチミツ味のケーキなど、典型的なチェコ料理が並んでいます。

食べ物の名前の横に書いてある「(1 , 3 , 9)」などの数字は何でしょうか?

実はこれ、アレルギー表記です。

日本だったらこういう場合、欄外に何番が何を表しているのか、という一覧が別にありまよね。でも、ここではそれぞれの数字が何を表しているのか、メニュー表の中を探しても説明はありません。

チェコでは全てのレストランで共通のアレルギー食材表示が使われるよう法律で決められているからです。

【1】グルテンを含む穀類
【2】甲殻類とそれを含む加工品
【3】卵とそれを含む加工品
【4】魚とそれを含む加工品
【5】ピーナッツとそれを含む加工品
【6】大豆とそれを含む加工品
【7】牛乳ととそれを含む加工品(ラクトース含む)
【8】ナッツ類(アーモンド、ヘーゼルナッツ、クルミ、カシューナッツ、ペカンナッツ、ブラジリアンナッツ、ピスタチオ、マカダミアナッツ、それらを含む加工品)
【9】セロリとそれを含む加工品
【10】カラシとそれを含む加工品
【11】胡麻とそれを含む加工品
【12】二酸化硫黄と亜硫酸塩
【13】ルピナスとそれを含む加工品
【14】貝とそれを含む加工品

 
アレルギーを持っている人は自分が避けるべき番号を覚えているのです。
該当者には確実に分かるし、メニュー上でもスペースを取らないし、ナイスアイデア!

 
法律で決まっているとはいえ、監査がどの程度厳しいかは謎で、小さいレストランだと数字がついていないメニューを置いているレストランもあるかと思います。
もし、番号の表記がなく、アレルゲンを口頭で伝えたい場合、一番簡単な言い方はこれです。

マーム アレルギー ナ ○○ (Mám alergii na ○○)

「○○のアレルギーを持っています」という意味です。これさえ言えればお店の人も気をつけてくれるはずです。

 
伝統的なチェコ料理はほぼ肉料理ですが、ベジタリアン用メニューを置いてある店も多いです。特に若い女性はガッツリした肉料理を好まない人も多いので。

しかし、ビーガンレストランは大丈夫として、一般のレストランのメニューに載っているベジタリアン料理は、かなりの確率で乳製品を含んでいます。(魚が入っていることさえあって、チェコでのベジタリアンの定義がよく分かりません・・・。)
乳製品や魚も避けたいビーガンの人は、メニュー上に「Vegetarian」の文字があっても注意が必要ですが、上のアレルギーリストに乳製品や魚介類の項目もあるので、それと組み合わせて判断すれば避けられるかと思います。

 
この全国共通アレルギーリスト、アレルギーのある人にとっては本当に便利なものだと思います。
もし、これが各店オリジナルの表記方法でチェコ語で書かれていたら、外国人は見落とすでしょう。日本でも多くの店でアレルギー表記がありますが、「小麦を含みます」って日本語で書かれていても外国人旅行者は読めないですもんね。

この全国共通ナンバー方式、いずれ日本でも取り入れられるんじゃないでしょうか。
 

8 Replies to “チェコのレストランでアレルギー食材を知るには”

  1. junjusia より:

    このアレルギー表記、初夏にチェコを旅行した際にTaborのレストランで初めて気づき衝撃を受けました!
    チェコ、進んでるー。さすがチェコー。と、手放しで賞賛する我らチェコ贔屓カップル(笑)
    ポーランドではこのような法律はなく、お店の裁量で表記するしないが別れています。
    私自身アレルギーもなければ、食事の制限もないので気にしていませんでしたが、アレルギー持ちの友人は結構苦労すると聞いていたので。
    ちょっとしたところで、チェコとポーランドの市民意識の違いがわかって面白いです。

    1. Noriko より:

      私もこのシステムには関心しました。チェコいいとこあるやん、と(笑)。日本でもお店の任意ですもんね。海外だと言葉読めないこともあるし、番号表記はアレルギー持ちの人にとっては助かるでしょうね。事前の予習が必要ではありますが。
      この方法、とても良いと思うので、他の国にも広まるのは時間の問題かなと思ってます。

  2. nistak より:

    はじめまして、奈良の高校に通う高2男子です。
    7月に言語学オリンピックの代表としてチェコに行くのですが、食物アレルギーがあるので、チェコの食べ物や食べ物の持ち込み制限について教えていただけますか?

    1. Noriko より:

      チェコ、というか「EU 持ち込み禁止」で検索されると詳しい情報が見つかると思いますよ。
      ちなみに、肉・肉製品、果物、野菜、卵・卵加工品、乳製品はEU含む多くの国で持ち込みが禁止されています。

      何のアレルギーをお持ちなのか分かりませんが、記事中にも書いたようにアレルギー表示は多くのレストランでされているので、その番号表記が役に立つと良いのですが。
      おそらくプラハに滞在されるのですよね。食べ物の種類はたくさんあるので、アレルギー食材を避ける選択肢はあると思います。

      1. nistak より:

        返信ありがとうございます。
        個人消費用の魚介類の制限の幅がよくわからないのですが、サバ缶などの魚の加工品の缶詰は持ち込めるのでしょうか?
        大学のカフェでの食事予定なのですが、乳製品が駄目なので食べられるものがない時の非常食として持っていきたいと思っています。

        1. Noriko より:

          ポーランド航空のサイトに↓こんな記載を見つけました。

          4. 個人消費目的の少量の水産物
          以下の条件を満たす場合、水産物(生、乾燥、調理済、漬込、燻製の魚やエビ、ロブスターなどの甲殻類、ムール貝、カキなどの特定の貝類を含む)はEUへの持ち込み又は輸送が可能です。
          http://www.lot.com/jp/ja/carriage-food

          確かに、鰹節や海苔を日本から送ってもらっても税関で内容チェックされた上で問題なく受け取れているので、魚介類は大丈夫そうですね。缶詰なら持込手荷物ではなく受託手荷物に入れることだけ気をつければ持ち込めると思いますよ。

          1. nistak より:

            いろいろありがとうございます。
            魚缶を持ち込めるなら滞在中の食事の不安がだいぶ軽くなります。
            初めての海外がんばります。

            1. Noriko より:

              チェコ料理は肉が圧倒的に多いのですが、魚だとパックに入った燻製のサーモンや鯖がスーパーでも買えます。もし、持ち込んだ缶詰で足りなくなったら!

              言語学オリンピックはもちろんですが、プラハはとても美しい街なのでぜひ観光も楽しんでくださいね。

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