チェコでの婚姻とビザ申請の手続き(その5:婚姻・名字の選択・移民警察)

前回は、渡航してからの離婚証明書の申請と翻訳業者への依頼について書きました。

今日はその続きを書きます。婚姻・ビザ申請に関するポストの最終回です。

渡航から
34日目
プラハで奔走した日から20日経過。この間、キヨフ市役所と何度もやりとりをしました。というのも、キヨフ市役所は重要な決定権は持っていないため、こちらが書類を提出してもその場で担当者がOK or NGの判断をすることが出来ないのです。一旦預かりブルノの本部(?)へ確認するため、一つのことを確認するのに数日かかるのは当たり前。しかも、一度で済むことを何度にも分けて言われたりと、私たちは結婚を急いでいたので(結婚しないとビザの手続きに移れないため)、本当にストレスでした。

と言っても、チェコへ来てからの市役所・翻訳会社とのやりとりはペトルが全てやってくれたので、わたしは家で「チェコの役所遅過ぎ!」と愚痴っていただけですが。

ともあれ、ようやくこの日に書類一式に問題無いと言ってもらえ、結婚式の日取りを予約することが出来ました。キヨフでは土曜しか式を行っていないので、すぐにでも挙げたかったのですが、一ヶ月近く先の日程になりました。

ちなみに、チェコでは婚姻届提出だけの婚姻は認められておらず、全員が何らかのカタチで式を上げなければいけません。わたしたちは一番簡単な方法、市役所で挙げたので、その料金として2,000Kč(約10,000円)支払いました。

提出した書類については、ここに書きました。


この時に、結婚式までにこちらで書き込まなければいけない書類を受け取りました。内容は、「名字をどうするか」と「子供ができた場合、子供の名字をどうするか」です。

名字の選択

自分の名字に関しては、「別姓」と最初から決めていました。
ペトルの名字はカシュパーレクというのですが、その場合、わたしが名字を変えるとしたら、カシュパーレコバになります。チェコ語ルールに基づいて家族でも男性と女性で語尾が変わるからです。
しかし、日本の法律では夫の名字になるなら全く同じでなければいけません。なので、日本の戸籍ではカシュパーレク、チェコで名乗る時はカシュパーレコバ、というややこしいことになります。

名字がカタカナになるのってかっこいいな〜という気持ちも正直少しありましたが、将来日本に住む可能性がある限り、カシュパーレコバという名字は不便過ぎます。病院、銀行や仕事、あらゆる機会で名字で呼ばれることがあるのに、呼びづらいったらありません。通称で旧姓を使うことは出来ても、なんだかんだ本名が必要な機会って多いと思います。というわけで迷わず日本の名字を使い続けることに。

夫婦が別姓ということは、子どもの名字をどちらにするか、を選ばなければいけません。子どもは作らないと決めているものの、万が一ということもあるので真面目に話し合いました。なぜかお互いが相手の名字が良いと思っていました。わたしは、チェコ名の方がどこの国でも生活しやすいと思い、ペトルはわたしの日本の名字の方がどの国の人にでも発音しやすいと思ったそうです。確かにそうだな、と思ったので、子どもはわたしの日本の名字にすると決めました。

43日目
警察署へチェコへ滞在していることを申請しに。この住所にこういう日本人が住んでいますよ、ということを警察に知らせるのです。
これは本来、渡航3日以内にしなければいけないことです。その時のことは以前のポストで。


54日目
結婚式が近づいてきました。結婚式の1週間前から当日までの間に警察でわたしの住所を証明する書類を貰い、市役所に提出しなければいけません。前回の警察訪問時に、わたしが住んでいる場所を登録したので、その内容を書類にして貰います。

申請書に、名前・誕生日・国籍・旅券番号・住所・書類の提出先(市役所)の住所(事前に調べておいた方がいい)・結婚式の日付、を書いて提出しました。出来上がった書類には、それに加えて、わたしの滞在可能期間の日付(ビザ無しの90日がいつからいつまでか)が書かれていました。
手数料は、収入印紙で15Kč(約75円)。

55日目
警察で作ってもらった書類を市役所へ提出。

59日目
無事に結婚・挙式。
ここまでに渡航から約2ヶ月かかってますが、渡航前の予想では1ヶ月もあればここまで済ませられるだろうとタカをくくっていました。3ヶ月以内にビザの申請まで辿りつかなければいけなかったので、最悪2ヶ月半以内に婚姻を済ませられれば問題はないのですが、役所の仕事のスピードが読めないだけに気持ちだけが焦りました。

63日目
式から3営業日後に市役所で「結婚証明書」を受け取りました。二人の名前、親の名前、結婚した日、子供ができた場合の子供の名字などが書かれています。日本へ婚姻届けを提出する時やビザ申請の時に必要になるものです。
わたしたちは名字が違うので、今後夫婦であることを証明しなければいけない機会があればこの結婚証明書が必要になるのかもしれません。

71日目
移民局にビザの申請書を提出し、その場で2ヶ月間有効の仮ビザをもらいました。

85日目
チェコでの婚姻が済んだら、日本へも3ヶ月以内に婚姻届けを出さなければいけません。在チェコ日本国大使館ホームページに提出方法は書いてありますが、わたしは郵送での提出希望だったため、確認したい点がありメールでの問い合わせを始めました。
郵送してから書類に不備が見つかると面倒なので、発送の前にスキャンして大使館の方に確認してもらいました。詳しい書類の準備方法・婚姻届の書き方はここに書きました。

86日目
移民警察が抜き打ち訪問に来ました。

90日目
移民局から面接の日程が届きました。面接には公認翻訳士の同伴が必要なので、翻訳士さん何人かに連絡を取り、予定の会う人を探し始めました。

92日目
日本に提出する婚姻届の書類が完成したので、プラハの日本国大使館へ発送。

118日目
移民局でビザ取得のための面接。やましいことさえ無ければ普通に答えられる質問ばかりなのですが、嫌な汗かきました。

126日目
申請の際にもらっていた仮ビザの期限(2ヶ月)が近づいていたので更新に行きました。が、そこで本ビザがすでに降りていることが判明し、思いがけず念願のビザGet!

 
以上で移住に関する手続きがめでたく終了!長かったーーー!
最初の行動から6ヶ月半。その前にも方法を調べたり検討したりで数ヶ月。

最初は本当に何も分からず不安しかありませんでした。全て終わった今となっては一つずつクリアしていけば必ず出来ることだって分かるんですけどね。

あと、渡航してからの手続きはペトルがいなければ何もできなかったと思います。役所とのやりとりも多いので、彼が平日の昼間に動ける仕事だったのも助かりました。

国際結婚でも、国・その人の状況により千差万別の手順があると思います。わたしたちと同じ手順を踏む方の方が少ないかもしれません。これから国際結婚・移住を考えている方、手続きをしたいけど何から始めれば良いか分からず途方に暮れている方、一部でも参考になるところがあれば幸いです。

 
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