ヨーロッパで冬季うつ予防のために気をつけるいくつかのこと

北欧では日照時間が短く、冬に鬱病(冬季うつ、または季節性うつ病)気味になる人がいる、というのは知られた話だと思います。北欧に比べると太陽の出ている時間は長いチェコですが、最近その気持ちが分かるなぁと思っています。

チェコは緯度49度に位置しています。日本の最北端である稚内が緯度45度なので、日本のどこよりも北にあることになります。なので、日照時間も日本より短く、例えば、11月末の今日の「Daylight time(きちんと陽がある時間)」は、7:25〜15:58。体感としては朝7時はまだかなり暗いし、15時頃になるともう陽が沈みそうな薄暗さになっています。天気も毎日薄曇り。

霧の日も多くて、正午頃までこんな風に見通しが悪い日もあります(ここは一面畑で、普段はずっと先まで見通せる見晴らしの良い場所・・・)

   

個人的には、一年の中で11月だけヨーロッパで過ごしたことが無かったのですが、初めてその11月を過ごしてみて、正直一年の中で一番キツい時期だと感じました。

気温でいうと1〜2月の方が低いのですが、晴れの日の多さやもうすぐ春になるという気分のせいか、ずっと楽でした。12月は日照時間が11月よりさらに短いですが、クリスマスで街は華やかになるし、家族とのホリデーもあるし、バタバタしているうちに終わります。しかし、11月って何も無いし、4月の初め頃までまだ半年近く冬が続くのかと思うと気が遠くなります。

日本人のわたしだけでなく、現地の人も冬に参るのは同じらしく、周りのチェコ人や他のヨーロッパの国に住んでいる人に予防策を訊ねてみました。それに加えてわたし個人が効くと思うことをまとめました。
   

部屋を明るくする

天気の良い日でも、太陽が出ているのは昼前後の2〜3時間程度なので、自然光を十分に浴びることができません。その代わり、可能な限り部屋を明るくするようにしています。部屋の普通の照明では限界があるのですが、薄暗いよりはずっとマシだと思います。
北欧で使われているらしいこういう↓特別な照明器具があればいいんですけどねぇ。

光療法の標準器ブライトライトME+と 交換ランプのセット


(追記 2018.1.25)
その後、光療法にも効果のあるライトを使ってみました!

 

スポーツをする

うつ予防といったら必ずと言ってもいいほど挙げられるのが「適度な運動」ではないでしょうか。本当にそうなんだろうな、とは思うのですが例外として、運動が苦手な人はかえって負担になるので、無理にする必要は無いと思っています。わたしがそのタイプで、運動がストレスになるんですよね・・・。太陽の出ているタイミングを見計らってウォーキング、くらいなら誰でも出来そうですが。
 

良い睡眠をとる

太陽が見えないので布団にこもってしまいたくなる日もあるけれど、規則正しい生活をして夜はしっかり寝ることで昼間のダルさがマシになると思います。心が疲れているのだから、せめて体は疲れていない状態を保ちたいものです。
 

カーテンを開けて寝る

良い睡眠に通じることですが、カーテンを閉めて寝ると真っ暗過ぎて昼まで起きることが出来ません。朝でも大して明るくないので、開けっ放しでも朝に目を覚まされることはなく、仄かな光が入ってきて起きやすくなります。
 

リラックス効果のあるハーブティーを飲む

気持ちを落ち着かせる種類のハーブティーを飲みます。カフェインを避けて、ストレス・イライラ・不眠などに効くハーブティーを選びます。チェコでは、そういった効能がお茶のパッケージに書いてあるので、リラックス効果のあるものを選ぶようにしています。
なんだか薬っぽいパッケージですが、味は普通のハーブティーなんです。

パッカハーブス リラックス
2g×20P

たくさん話す

日本語で思いっきり話せる相手が近くにいると気分転換になると思うのですが、これが海外にいるとなかなか難しいところです。わたしは、気心知れた日本の友人とSkypeやLINEで話すことが息抜きになります。ただ、あまり楽しすぎると後でホームシックのようなリバウンドが来るのが難点なのですが。
 

日本のテレビドラマやコメディを見る

何も考えずにボーッと観て笑えるような何かを観るとリラックス出来ます。海外のものでも構いませんが、「日本の」と限定したのは、日本語の方がさらに気を抜いて観られると思うからです。
 

買い物に行く

これも海外に住んでいると状況次第かもしれません。わたしの場合は、大きな街へ買い物に行くのはストレス発散になるけれど、今住んでいる小さな街だと珍しいアジア人に対する周りの視線を感じてかえってストレスになる時もあります。
なので、気を張らずに済む環境にいること限定ですが、やはり外に出るのはうつ予防に効果があると思います。


   
すでに鬱にかかっていると、いくら効果があると言われてもこれらのことを実践する気力さえ湧かないかもしれません。できるだけ悪い状態になる前に気をつけたいところですが、みんながそれを出来れば苦労しないですよね。コントロールするのは難しいなぁと思います。
もし、冬季うつにかかってしまったら、ハーブティーを飲みながら気分転換になる面白いテレビドラマでも観て時間が過ぎるのを待ちましょう。春は必ず訪れる!(でも、症状が続くようなら病院へ行きましょう!)

つらかった11月ももう終わりで、やっとアドベントカレンダーも開けられるし、慌ただしい12月がやって来るので、頑張って冬を乗り越えたいと思います。

2 Replies to “ヨーロッパで冬季うつ予防のために気をつけるいくつかのこと”

  1. Harada Toshio より:

    何度かヨーロッパに行ったことあります。太陽の光が足りないのは熟知しても「うつ」がある事を小説で「イヌイット」の国でを知りました。日本では「コロナ」と「長い梅雨」で皆が悩んでいます。私も朝「今日も雨か、、、」と気持ちが鬱陶しく落ち込みます。きっと夜の長い国には「それなりの工夫や予防」があると調べました。クリスマスは「光を求める」イベントであり、バカンスは「医者の処方箋より重く」生存の必須要件と知りました。「コロナブルー」は初めての体験ですが明日から「外出」「ふれあい」「明るい部屋」など色々と工夫してみます。日本の気候は四季があり、12ヶ月働くことができる健康で安全、清潔な国であることに感謝したいと思います。故国を遠く離れた暮らしに「燦燦と明るい光」が降りそそぐことをお祈りします。

    1. Noriko より:

      Harada Toshioさま
      はじめまして。
      確かにクリスマスは何より効き目があると思います。(と同時に、一緒に過ごす家族がいない人にとっては憂鬱だろうな、とも思います。)
      この記事を書いたのが3年前なので、冬の暗さと長さに多少は慣れましたが、まだまだハードではあります。

      日本は特に外に娯楽が多いので、色々なことができない自粛生活はストレスが多いだろうとお察しします。梅雨の低気圧も相まって鬱陶しい季節だと思いますが、もうすぐ梅雨も明けますし、ごうぞご自愛ください。

ただいまコメントは受け付けていません。

コメントが表示されるまで数日要する場合があります。