「スラヴ叙事詩」をアルフォンス・ミュシャが過ごしたブルノで


 


 

ミュシャゆかりの地ブルノで「スラヴ叙事詩」を

日本で最も知られているチェコ人のひとり、画家・デザイナーの「アルフォンス・ミュシャ」。
昨年、国立新美術館で開催された「ミュシャ展」では、「スラヴ叙事詩」がチェコ国外に初めて全20点も持ち出されたことで話題になり、2017年美術館入場者数1位に輝きました。

通常はプラハに展示されている「スラヴ叙事詩」が、現在、ミュシャが子供時代を過ごしたブルノで展示されています。


ALFONS MUCHA Dva světy – Slovanská epopej a plakáty
開催期間:2018年5月26日〜12月13日
開催場所:ブルノエキシビジョンセンター / Brno Exhibition Centre(アクセスは最後に記載)
入場料:一般150Kč(約750円)混雑している場合は入場制限があります。
Web site


 

二つの世界 − スラヴ叙事詩とポスターたち

展覧会のテーマは「Dva světy – Slovanská epopej a plakáty」。
訳すと「二つの世界 - スラヴ叙事詩とポスターたち」という意味で、スラヴ叙事詩とミュシャのポスター作品を同時に展示されています。「画家としてのミュシャ」と「グラフィックデザイナーとしてのミュシャ」の両面を観ることができるという嬉しいテーマの展覧会。ポスターの中には、初めて一般公開される作品もあります。

スラヴ叙事詩20点の中から今回は下記9点を展示。

  • 故郷のスラヴ人
  • ルヤナ島のスヴァントヴィト祭
  • 大ボヘミアにおけるスラヴ的典礼の導入
  • クロアチアの司令官ズリンスキーによるシゲットの防衛
  • イヴァンチッチェでの聖書の印刷
  • ベトレーム礼拝堂で説教するヤン・フス
  • ロシアの農奴解放の日
  • クロムェジーシュのヤン・ミリーチ
  • クジーシュキでの集会

 

 
スラヴ叙事詩は、大きなもので8×6m。とにかく圧倒的な大きさです。18年かけて20点を制作したそうですが、むしろたった18年でこんなに大きな絵を20点も完成したことに驚きます。これほどの有名作品の展覧会をわざわざ街の外れで開催するなんて、と思っていましたが、このサイズではどこの美術館でも開催できるというわけでは無いのだと気付きました。ちなみに、搬送の際は丸めるそうですが(それ以外の方法は無理だと思う)、丸めることを想定して制作されているのでダメージは無いとのこと。

会場は撮影禁止だったので、作品の大きさが分かる動画を。人間の大きさと比べると絵のサイズがよく分かりますね。(イベントのFBから「スラブ叙事詩が盗まれた。犯人は?!」というジョークビデオです。)

 
スラヴ叙事詩がこの展覧会の目玉ではありますが、ポスター作品の出展数も多く、そちらも劣らず見応えたっぷり。ミュシャのポストカードなどのグッズってどこでも買えるものですが、実際の展示物は小さな印刷物やネット上で見るよりも遥かに美しくてミュシャ人気に納得したのでした。

会場では、チェコ語と英語の説明文がありました。面白いと思ったのが、オーディオガイドのシステム。会場にあるQRコードを読み込んで、自分のスマホで再生して聞くことが出来ます。専用アプリをダウンロードする必要はありますが、操作は簡単。イヤホンさえ持っていれば、会場で機械を借りるよりも楽で良いと思いました。ただ、ガイド説明の内容は、会場で無料で配っている冊子と全く同じだったので、どちらかで十分かも。

 

チェコスロバキア建国100周年イベント

ちなみに、このミュシャ展は、チェコスロバキア建国100周年を祝うイベント「Festival RE:PUBLIKA」の一環として開催されています。

「Festival RE:PUBLIKA」では、2018年5月26日~6月17日の3週間に渡って「ブルノエキシビジョンセンター」で開催されており、チェコの音楽、ダンス、スポーツ、歴史、食べ物など、様々なことに関する展示・イベントが毎日行われています。
イベント内容・スケジュールはこちら

 
ミュシャ展のような特別な展示を除いて、入場は無料

会場のロケーションは、ブルノ中央駅からトラムで10分ほど離れた場所にあるコンベンション・センター。展示場やホールが集まった巨大な施設で、ブルノの大きなイベントはだいたいここ、という場所です。

 
ミュシャは、スラヴ人であることに大変誇りを持っており、スラヴ民族に捧げた作品と言われている「スラヴ叙事詩」。チェコスロバキアがオーストリア=ハンガリー帝国から独立したのは、当時を生きたミュシャにとって大きな出来事だったはず。独立100周年行事を飾るのに最も相応しい作品であることは間違いありません。

 

アクセス

ブルノエキシビジョンセンター / Brno Exhibition Centre / Brněnské výstaviště
Výstaviště 405/1, 603 00 Brno-střed
https://www.bvv.cz/en/
ブルノ中央駅前のトラム乗り場から1番トラムで約10分「Výstaviště – hlavní vstup」下車すぐ。
ミュシャ展は、会場内の展示場「H」にて。

6 Replies to “「スラヴ叙事詩」をアルフォンス・ミュシャが過ごしたブルノで”

  1. プラハでミュシャ美術館に行く予定にしてましたが、こっちも面白そうですね。どちらに行くかギリギリまで悩もう。13日のチェコ旅なのに全然時間が足りない。大きな旅行会社のツアーだとたった1日で済まされちゃうチェコ…信じられない( ;∀;)魅力沢山なのに。

    1. プラハのミュシャ美術館は場所がすごく便利だし、サクッと見れるので省かなくてもいいと思いますよ〜。もしブルノで時間が余るようなら〜。

      チェコ旅行って近隣の国と組み合わせる方が多いと思うのですが、チェコだけで13日間って贅沢ですね♪

  2. はじめまして。
    ちょうど今月末にこの展覧会を見るために、ブルノに行く予定だったのでとても参考になりました。
    今ウィーン在住なのですが、モラヴィア地方の雰囲気が好きでウィーンに嫌気がさした時は逃避行してます(笑)ちなみに私も奈良育ちです。

    1. TOSHIKOさん、コメントありがとうございます。同じ奈良育ちなんですね♪
      ウィーンに比べるとブルノは野暮ったいというか、良く言えばのんびりしているというか。私にとってはウィーンはオシャレな大都会です!
      ミュシャの展覧会、初日に行ったのですがそれほどの混雑もなく見やすかったです。今月末ならさらに落ち着いているのではないかと。楽しまれてくださいね!

  3. アバター いとうれいこ より: 返信

    のりこさん、こんにちは。いとうれいこと申します。ネットで運良く、のりこさんのサイトに辿り着く事が出来ました。

    6月末から7月7日までプラハに夫婦で滞在します。個人旅行です。オペラ椿姫のためにブルノに5日に行き、ブルノ一泊の予定です。ブルノを調べているうちに、モラヴィア草原にとても魅力を覚えて、夫に頼んで、翌日ミクロフやワイナリーを訪ね、プラハへ戻る予定です。教えてくださったお城も是非行きたいと思っています。

    その辺りのことも、これからのりこさんのブログを読ませていただきますね♡楽しみです。雑誌にも寄稿していらっしゃるとのこと、早速調べてみます。

    スラブ抒情詩は、チェコ国内にないものと諦めかけていましたが、なんとブルノに5月半ばからあるとのりこさんに教えていただき、もしかしたら12月までブルノにあったら、見る事ができるのではと期待が大きくなっています。ムハの大作を9作も見れたら、こんなに幸せなことはありません。
    とはいえ、7月半ばまで開催は大丈夫でしょうか?チケット販売は6月半ばまでなので心配です。情報があまり出ていないのでのりこさんの更新情報が頼りです。ほんとにありがとうございます!

    追伸
    奈良に仲良しの人がいて、大好きな街です。こじんまりした古都で、美味しい天ぷら屋さんや小料理屋さんもありますね!何度もいきたいところです。

    1. いとうれいこさん、初めまして。コメントありがとうございます。
      ブルノのムハ展、日付が先のチケットは(まだ?)販売されていませんが、年末まで開催されているのは間違いないので大丈夫ですよ。時間毎の入場数が決まっており、混んでいたら次の回(1時間後)に回されるので、スケジュールがタイトでしたら事前予約しておいた方が安心です。が、初日に行って見た感じでは、当日購入でもまず希望の回に入れると思います。もし、待たなければいけなくても、敷地内には他の催し物やカフェもあるので、時間を潰すには困りません。

      ワイナリー訪問良いですね。わたしは下戸なのでワインもビールも全く楽しめないのですが、南モラヴィアはワインが一番の観光資源で、値段は安いし美味しい(らしい)ので、ぜひ楽しんでください。

      (雑誌への寄稿ではなく、出版社が運営しているウェブサイトへの寄稿をしています。具体的な情報を書いている記事ではありませんが、良ければこちらからご覧いただけます。)

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