チェコへ移住して二年

チェコへ移住して丸二年が経ちました。
二年前からの環境や心境の変化など、最近思っている事を全く脈絡なくいくつか書きます。

 


 

一年前に書いたブログを見ると、「(一年住んでるのに)何も出来るようになっていない」と書いていますが、そこから一年経った今でも大して変わっていません。何もしていないのだから当然です。

特に何も勉強せずに過ごして分かった事は、

「勉強せずとも二年住めば買い物レベルの会話は出来るようになる!」

自慢気に言う事でも無いけれどこれは本当。(ちなみに、二年しっかり勉強すれば流暢に話せるようになります。)

外出する機会が少なく、したとしてもチェコ語ネイティブのペトルと一緒のことが多く、チェコ語を聞くことも口にすることも非常に少ないわたしですが、そんな環境でも、店員によく聞かれる「メンバーズカード持ってるか」「袋いるか」「クレジットカードか現金か」「会計は一緒か別々か」「持ち帰りかイートインか」などは理解&即答出来るようになりました。

よく言われる「外国に住むだけでその国の言葉を話せるようにはなるわけでは無い」というのは事実です。でも、さすがに頻繁に目にしたり耳にする単語はゼロからでも自然と覚えるものですね。赤ちゃんが言葉を覚える1/1000くらいのスピードですけど。
 

 
元々チェコに住むのは、期間限定のつもりで、何年住むかは具体的には決めていなかったのですが、あと一年、長くて一年半、と決めました。2020年の夏までには日本へ引っ越します。なので、今はチェコの暮らしをどうするかという事よりも、チェコにいる間にしておきたい事と日本へ戻ってからの生活について考える事の方が増えてきました。

チェコにいる間にしておきたいのは、旅行。
ヨーロッパ内で未踏の街に最低でももう一ヶ所は行っておきたいし、チェコ国内でも見ておきたい所がいくつかあるし。時間とお金の許す限りは色々訪ねてみたいと思っています。まぁ、暖かくなったらですね。

(ちなみに、この「暖かくなったら」という言葉。冬に非常によく聞く文句の一つで、

「○○城の庭園良いらしいよ」「行きたいね、暖かくなったら」
「○○の街行ってみたいな」「暖かくなったらね」

という風に使います。寒いから出かけたくないよいうよりは、同じものを見るなら冬よりも春に見た方がずっとキレイだからせっかくなら春になるのを待とう、という意味合いが大きいです。)
 

 
住み始めてしばらくはあれほど嫌だった他人からの視線(アジア人が珍しいから)が以前ほどは気にならなくなりました。今でも同じくらい見られますし、こちらの機嫌によっては嫌な時もありますが、当初よりは神経質に考え無いようになりました。

人種差別を受けたことは、二年間で「あれがそうだったのかな?」というレベルのものが2回。

日本人もチェコ人も人種差別に関してはとても似た環境にいると思います。
知識として「すべきでない事」は知っているけど、普段身の回りはほぼ同じ人種のみで、国内にいる限りは差別される側になる経験も無く、体感として何が差別になってしまうのか分からない。

「アメリカでやったら大炎上やで?!」と思うような全然笑えない “文化の盗用”や差別表現も街中には存在します。日本人でも同じ事やらかしそうだなぁ、という類のものなので、悪気が無いのは理解できるのですが、もう少し何が差別に繋がるのかは知って欲しいし、わたしも気を付けないとなぁ、と思います。

とは言え、レイシストに攻撃されたりというような実害を被る心配はまず無い点では暮らしやすいチェコです。
 

 
2年の間にジワジワと物価が上がっているのは気のせいでは無いと思います。

一番よく聞くのは家賃。特に大きな街では急激に賃料が上がっているという話はよく耳にしますし、わたしの住んでいる地方の街でさえも、一等地にある店が「人通りは減るけど賃料の安い場所」へ続々と引っ越しています。わたしの住んでいるアパートでも最近約2割も家賃が上がりました。

メニューの値上げをするレストランもあります。失業率が低く、給料を上げないと人件を確保出来ないため、商品やサービスの値段を上げざるを得ないのですよね。

日本や西ヨーロッパの国々と比べるとまだまだ物価が安いチェコですが、旅行者がその恩恵を受けられるのはいつまでだろう、と思ったりします。
 

 
わたしは舌が保守的なのか、海外旅行中でも和食を挟まないと耐えられないタイプなのですが、チェコに住み始めてからもなかなかチェコ料理を美味しいと思えませんでした。もちろんレシピやレストランによっては口に合うものもあるのですが、全体的に野菜が少なく重すぎたり味が濃過ぎたり。普段は自炊で和食メインなので好きな物を食べていますが、外食を楽しめない時期が長くありました。

それが、時を経て、揚げ物の付け合わせにフライドポテト、みたいな受け入れ難かった組み合わせを食べられるようになりました。いや、なってしまった?!時間はかかったけど、じゃが芋を主食にすることもようやく美味しいと思えるように。
食文化の違いに舌がなかなか順応してくれなかったのですが、二年住めばさすがに慣れるということが分かりました。
 

 
今までの人生で馴染みが無かったイースター、ハーベスト、聖マルティンなどの行事。チェコへ来た初年は言われるがままに「そう言うものか〜」と参加していたのですが、二年目からは不思議と自然と受け入れられるように。この国の四季を一巡して厳しい冬や春の有り難みを肌で感じたからでしょうか?これも旅行で来た時には分からなかった感覚です。

 
残り一年と少し、大きな変化はもう無いかもしれませんが、一つ一つの季節を噛み締めながら残りのチェコの暮らしを楽しみたいと思います。

4 Replies to “チェコへ移住して二年”

  1. マンジェルカ より:

    Norikoさん、お久しぶりです。

    日本に戻られることに決めたんですね!私は同じ時期に入れ違いでチェコに行くかもしれません。最近では移住に対する不安が強いのですが、今できることを精一杯やっていきたいと思います。Norikoさんのチェコ情報いつも楽しみにしています。残りのチェコでの生活楽しんでください!

    1. Noriko より:

      マンジェルカさん、こんにちは。コメントありがとうございます!
      期間を決めないといつまでも住み続けてしまいそうなので、きちんと帰る時期を決めました。
      チェコののんびりした暮らしに慣れてしまった今となっては、逆に日本での生活が不安です・・・。日本のスピードに付いていけなくなったらまた戻ってくると思います(笑)。
      チェコに移られるかもしれないのですね!そうなれば準備することが沢山で大変だと思いますが、頑張ってくださいね!

  2. 初めまして!私はチェコはプラハに移住して8ヶ月になりますが、この国を終の棲家にするのかと思うと小さなことにもストレスを感じ、なかなか当初思い描いていたような生活が送れずにいます。でも今回のNorikoさんの記事を読んで、確かにここに一生住み続けなきゃいけない理由なんてないよなぁと、彼と日本で暮らす選択肢もあるんだと気付き少し気持ちが軽くなりました。国際カップルなので、その選択肢は当たり前にあったのですがその余裕すらなかったみたいです。取り留めのないコメントになってしまいましたが、感謝の気持ちを伝えたくて。今回の記事だけでなく、いつも有意義なチェコ情報をありがとうございます!残りのチェコ生活も楽しんでください!

    1. Noriko より:

      KANAさん、初めまして!
      わたしの記事が少しでも気持ちが軽くなるきっかけになったのでしたら嬉しいです。

      移住先の国にすぐに慣れる人もいれば、時間がかかる人もいるし、ずっと無理なままの人もいるし、、、個人差あれど大半の人は何かしら気持ちが落ちる時期を経ているのかなぁ、と思っています。環境は人それぞれなので「わかります〜!」と安易には言えないですが、同じ国だとストレスポイントが同じだったり。
      お相手さえOKなら日本へ戻るのも全然ありですよね!住む国の選択肢を複数持てるのはラッキーだな、と思っています。
       
      ご丁寧なコメントありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いします♪

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