チェコでの婚姻とビザ申請の手続き(その1:準備と必要書類)

日本に暮らしながらチェコ人との結婚・移住を考えはじめ、どのように準備・手続きを進めたのかを何回かに分けて書きます。自分が準備を始めようとしたときに、何から始めてよいのかさっぱり分からず途方に暮れた経験から、同じ悩みを持って検索でここへ辿りついた方の参考になれば。

済んでしまえば当たり前だと分かることでも最初は国際結婚・ビザ申請のことを何も知りませんでした。
「婚姻手続き」と「ビザ申請」が全く別物だというのは今ならわかるのですが、始める前は混同していたし、日本で準備を始めた時点では平行して進めていたので、両方の手続きを同時に説明していきます。自分が分からなかった基本的なことも初心に戻って思い出しながら書きたいと思います。

 

どちらの国で手続きするか

配偶者としてのビザを取得したい場合、婚姻→ビザ申請という流れになります。(籍を入れていなくても申請できるパートナービザという選択肢もありますが、必要書類が変わります)。

婚姻は、日本でもチェコでもどちらでも出来ます。どちらかの国でまず婚姻してから、もう一方の国へもその情報を元に婚姻届を提出します。私たちはチェコの役所で婚姻し、在チェコ日本国大使館へ日本の婚姻届けを提出しました。

ビザの取得には、「ビザを日本で取得してから渡航」もしくは「渡航してからチェコで申請」のどちらかの手順になります。私は後者を選びました。

どちらで申請するのが良いかは、私は日本で申請していないので分かりません。
日本で申請する場合は、平日にチェコ大使館へ赴かなくてはいけない機会があるので、遠方に住んでおり仕事を持っていたわたしには難しかったと思います。しかし、仕事が早く責任感のある日本人の大使館員さんとやり取りし手続きを進められるのは大きな利点だと思います。
チェコでの手続きは当然チェコ語なので、100%夫に任せなければいけませんでした。それができる時間があって負担に思わないチェコ人のパートナーであれば問題ないと思います。

ここに記すのは「旅行者として渡航し、ビザ無しで滞在できる90日の間に婚姻とビザ申請をした」経験談です。

 

必要書類

〈チェコ方式の婚姻のために日本人側が準備しなければいけない書類〉
※自治体によって違います。

1. パスポート
2. 戸籍謄本(+アポスティーユ+翻訳)
3. 婚姻要件具備証明書(+アポスティーユ+翻訳)
4. 離婚証明書(離婚経験のある場合のみ)(+アポスティーユ+翻訳)
5. チェコ警察でもらう滞在証明
6. 日本での住民登録を示す紙

「アポスティーユ」とは、市役所などの公的機関が発行した書類が真正なものであるということを外務省が証明する書類です。外務省に戸籍謄本や婚姻要件具備証明書を持参すれば(郵送も可)、アポスティーユを添付してもらえます。面倒に思えますが、申請すれば迅速に対応してもらえるので難しいものではありません。

「婚姻要件具備証明書」とは、この日本人は独身であり婚姻できる条件を備えています、という証明書です。市町村役場もしくは法務局で請求できます。

戸籍謄本のみ日本国内でしか取得できないので、戸籍謄本とそのアポスティーユは渡航前に取得するのがベターです。すでに国外にいる場合は、日本にいる家族などに頼むことになります。
他の書類は渡航後に在チェコ日本国大使館でも申請できます。

 
〈ビザ申請に必要な書類〉

1. パスポート
2. 顔写真2枚(カラー35×45mm)
3. 保険証券
4. 結婚証明書(婚姻後にもらえる書類)
5. 居住証明(アパートの契約書)

保険は基本的にチェコの保険会社のものとされています。わたしはチェコの大手保険会社Pojistovna VZP, a.s.にて購入しました。ネットで簡単に買えます。購入すると即日保険証券がPDFで送られてくるので、それをプリントアウトしたものを提示します。
日本でビザを取得する場合は、保険の条件に決まりがあり、ある程度以上の値段の保険を購入しなければいけませんが、チェコで申請する場合は金額は決まっておらず一番安いものでも構いませんでした。尚、ビザが下りた後の保険加入は任意です。

 
〈必要だと思い用意したのに必要なかった書類〉

・犯罪経歴証明書
日本でビザ申請する場合は必須のようですが、チェコでの申請には不要でした。

・銀行口座残高証明
配偶者ビザの場合は必要ないとのことでした。

 
次から、上記の書類の詳細と、どうやって書類の準備と手続きを進めたかを時系列で書いていきます。