
結論から言うと、「スラヴ叙事詩」の2019年以降の展示の予定は無し。
一旦は保管庫へ、という事が決まっています。
これまでのスラヴ叙事詩
アルフォンス・ミュシャの代表作、「スラヴ叙事詩」。
2017年の日本での展覧会では全20作品が初めて揃って国外で見られるということで65万人を動員し、その年の美術展動員数1位に。2018年はプラハとブルノで別々に展示。
それ以前は、2011年までは南モラヴィアのモラフスキー・クルムロフ城に、2012〜2016年はプラハ国立美術館ヴェレトゥルジュニー宮殿に展示されていました。
そして、現在(2019年1月)は、どこにも展示されていません。
スラブ叙事詩のオーナーであるプラハ市は、展示出来る場所を作りたいと考えてはいるそうですが、予算面や場所をどこにするかでまだ議論の途中で、具体的なプランは決まっておらず「プラハに展示出来る場所は少なくとも今後3年間は無い」とのこと。
となると、元々あったモラフスキー・クルムロフに戻すのが筋。モラフスキー・クルムロフ城は、温湿度管理やセキュリティー面が完璧では無かったそうですが、もし戻って来るなら設備を整える準備は出来ているとのこと。
いずれにせよ決定権はプラハ市にあり、その結論次第の様です。
ミュシャの孫vsプラハ市
スラヴ叙事詩を巡っては、アルフォンス・ミュシャの孫ジョン・ミュシャ vs プラハ市で訴訟が起こっています。
ミュシャは、1928年にプラハ市にスラヴ叙事詩を寄贈しましたが、その時の条件が、「チェコ国内で展示する」「展示場所を作る」ことだったにも関わらず、未だ恒久的な展示場所が無い上に、国外(日本)へ持ち出した、と。
ジョン・ミュシャの方は、「市が現実的な計画をきちんと考えてくれるなら訴訟を取り下げることも検討する」と言っているそうですが、それに対して文化担当市議会員のコメントは「日本人の方がブルノの人よりずっと興味示してくれたけどね」・・・。まぁその通りなのかもしれませんが、ちょっと攻撃的ですねぇ。さて、和解出来るのかどうか?!
まとめ
残念ながら、スラヴ叙事詩は、当分は展示されず市の保管庫に保存されます。
今後展示されるとすれば、モラフスキー・クルムロフ城が最有力ですが、具体的な予定はありません。
プラハ市が新しい場所を建設するとしたら2022年以降になるでしょう。
どこかへ貸し出す可能性もありますが、国外へ持ち出したことで揉めている最中なことを考えると当分は国内限定でしょうか。チェコ国内での企画展を目指すにしても、作品のサイズがとにかく大きい事や温湿度などのシビアな条件を満たす場所がそう多くあるとは思えません。
ミュシャ本人がチェコ国内で展示されることを望んだのですから、「スラヴ叙事詩」が落ち着ける場所を早く作って、チェコを訪れる方が見たい時に見れる環境が整うことを願います。
「SLAVIC EPIC’S LOCATION BACK IN PLAY」『PRAGUE.TV』
https://prague.tv/en/s72/Directory/c206-Art-and-Culture/n16649-Slavic-Epic-s-location-back-in-play(2019.1.7)
「Slovanská epopej se možná vrátí do Moravského Krumlova. Praha zatím nemá prostor, kde ji vystavit」『Česká televize』
https://ct24.ceskatelevize.cz/regiony/2708813-slovanska-epopej-se-mozna-vrati-do-moravskeho-krumlova-praha-zatim-nema-prostor-kde(2019.1.17)