手軽に色んな味を楽しめるクネドリーキ専門店「Knedlín」


 
チェコを訪れたことがある方なら、「クネドリーキ」と聞くと、メインディッシュと一緒にサーブされる蒸しパンを最初に思い浮かべると思います。サイドディッシュとしてのクネドリーキだけでも、材料・食感の異なる数種類があり奥の深い食べ物ですが、中華まんのように中に具を詰めてメインとして食べるクネドリーキもあります。

具を詰める系クネドリーキの中でもわたしが特に好きなのが、フルーツ入りの甘い「オヴォツネー・クネドリーキ(ovocné knedlíky)」。フルーツ(イチゴ、プラム、ブルーベリーなど)を生地で包み、茹で、お皿に盛ったらトゥバロフ(tvaroh)というフレッシュチーズ・粉砂糖・溶かしバターを掛けていただきます。

 
これは、義母の手作り。具はアプリコット。生地はモチモチしていて、あえて似た日本の食べ物を挙げるなら「すいとん」。


 
わたしが自宅でよく食べる冷凍品。具はフルーツの代わりにブルーベリーやイチゴのジャムですが、十分美味しいです。スーパーで買えるので、キッチン付きの宿に滞在する機会があればぜひ試してもらいたい。


 
これは、カフェで食べたもの。サイズも大きいし、重そうな見た目の通り、本当にお腹にずっしりきます。3つで一人前ですが、食べきれませんでした。

 
チェコ人がオヴォツネー・クネドリーキを食べるのは、おばあちゃんの手作りが多いのかな?というイメージ(あくまでイメージです)。あまり店では見かけませんが、プラハの老舗カフェなんかだとレギュラーメニューに載っている店もあります。

甘い食べ物なので、最初にオヴォツネー・クネドリーキを知ったとき、これはおやつか朝食にいただくものだろうと思ったのですが、こちらの人にとってはメインの食事扱いのようで、どうしても量が多く、外食で食べるにはいまいちタイミングが難しい食べ物なのです。

「小さいものをおやつに一個か二個食べられたら嬉しいんだけど・・・」と思っていたところ、そんな希望を叶える店がプラハに出来ました!しかも、伝統の味だけでないアレンジクネドリーキも揃える珍しい専門店です。

カタカナ表記だと「クネドリーク」と「クネドリーキ」の両方見かけますが、単数と複数の違いなのでどちらも合っています。お店で食べるなら大体は複数なので、メニューには複数形の「knedlíky」で載っていると思います。
(単)knedlík (複)knedlíky

 

クネドリーキ専門店「Knedlín」

中に具を詰める系のクネドリーキ専門店「Knedlín(クネドリーン)」。2020年春にオープンしたばかり。
見たこともない変わり種アレンジクネドリークを売るアイデア自体が完全に新しく、他に同じようなことをしている店はありません(たぶん)。


一つから買えるし、サイズも小さめ、イートインも持ち帰りも可。

しょっぱい系・甘い系の両方があり、数も選べるので、おやつにも食事にも使えます。小腹が空いた時にちょうどいい量の軽食を探すのが難しいチェコでは尚更ありがたい、便利なお店です。
 
テイクアウトの可愛いボックス

 

味は25種類以上

テイクアウトで6種類買ってみました。2人で分けたので、1人3個ずつ。ランチにちょうど良い量でした。値段は一つ49Kč(約225円)〜。

左上から右へ、
・チョコレート(Čokoládový)
・プラム(Šveskový)
・イチゴ(Jahodový)
・リンゴとクリーム(Jablečný s krémem)
・グラーシュ(Gulášový)
・チキンカレー(Kari s kuřecím)

 
一般的なクネドリークは、具が違っても外の見た目は同じですが、ここの商品は切る前から見た目がカラフルでかわいいです。大福っぽい。
チェコ人のイメージするクネドリーキとはかけ離れているので、抵抗がある人もいるらしいのですが(気持ちは分かる)、クネドリーキに対する先入観がない外国人としては、何の問題もありません。色んな味を少しずつ楽しめるスタイルがむしろ日本的でわたしには親しみが湧きます。
 

「チキンカレー」は、日本のカレーパンを思い出させる味で、わたしには安心感のある美味しさでした。夫は「すごい違和感・・・クネドリーキであることを忘れれば美味しい」と言っていました。


 
オヴォツネー・クネドリーキの定番であるイチゴ。伝統レシピではイチゴの実が丸ごと入っていますが、ここでは「いちごみるく」っぽい甘いクリームが入っている独自のスタイル。これは完全におやつ。


 
2人とも気に入ったのは、「リンゴとクリーム」。角切りリンゴの酸味にカスタードクリームがぴったり。

 

ケーキ屋さんのようにショーケースに並んでいるので、購入の際は、店員さんに名前を告げて取ってもらいます。買う個数に合わせたお皿 or 箱を最初に用意されるので、まずは買う予定の個数を聞かれます。わたしが買った際の店員さん2人は英語が話せました。メニューには英語も併記されています。商品が目の前にあるので、指差しだけでも問題ないと思います。
 
コロナ禍で外食を控えている中でも使いやすいお店です。一回の利用では食べきれない種類の多さなので、次回プラハ滞在の機会にも再訪して未知の味を試したいです。
 

お店の詳細

Národní 24 Prague 1 110 00
9:00-21:00 定休日無し
イートイン、テイクアウトの他に、Wolt、Dáme jídlo、Bolt(Uber Eats的なフードデリバリーサービス)でも注文可。
https://knedlin.cz/