聖人暦にまつわる習慣

キリスト教の「聖人暦」という暦。365日それぞれの日に聖人の名前が割り振られています。

例えば、2月22日は「聖ペトロ」の日なので、その日に生まれた赤ちゃんにはペトロ由来の名前を付けるといった具合。英語名なら「ピーター」、チェコ語だと「ペトル(男)」「ペトラ(女)」となります。聖人の名前から名付けるかどうかはもちろん自由なので、名付けアイデアの一つくらいの感覚でしょうか。

なお、わたしの夫もペトルですが、聖ペトロ由来ではなく、誕生日は全く違う日です。

にも関わらず、2月22日には家族から「名前の日おめでとう!」といったメールが来るのです。まるでちょっとした誕生日。その日の聖人と同じ名前というだけで祝うなんて、日本人からすると不思議な習慣ですが、教えてもらわないと分からない誕生日と違って、これは名前さえ知っていたら「おめでとう」と言えるのはいいですね。

聖人の名前が入った聖人カレンダーもあって、年配の人は「今日は何の(名前の)日かな~」とチェックを欠かさない人もいるそうです。

ペトルのおばあちゃんも例に漏れずで。先日、ペトルと散歩していたら、そのおばあちゃんと道でバッタリ遭遇。
そうしたら、おばあちゃんがわたしに「明日、あなたの “名前の日” じゃない?」って言うのです。

えっ?ノリコが聖人カレンダーに・・・????

おばあちゃん、わたしの名前をマリナと勘違いしていたのでした。惜しい(?!)。

「ノリコです(笑)」と言ったらおばあちゃん残念そうでした。家族の誰かの名前の日には、お祝いに訪ねたりしてるんですよね。

マリナのように、聖人暦の中には日本人でも使える名前もあります。ハナ、エリカ、マリカとか。わたしも聖人祝日に当てはまる名前だったらよかったなぁとちょっと思いました。

「聖人暦にまつわる習慣」への8件のフィードバック

  1. junjusia より:

    度々コメントすみません(笑)
    Norikoさんのブログ、人柄と知性が滲み出ていて、毎回の更新楽しみにしています。

    おばあちゃんのエピソードとってもキュートですね!きっと脳内変換でチェコの名前になってたんでしょうね。ふふふ。
    ポーランドも名前の日があると聞いてますが、うちのポーランド人は無頓着なようで特にアピールしないので気づかずに流れてました(笑)
    今聞いてみたら、彼の名前の日は9月に1日、12月に2日あるそうです。め、面倒くさい…!(笑)

    1. Noriko より:

      いえ、いつもコメントいただいて嬉しいです!そんなに褒めていただくと恐縮してしまいます。ありがとうございます!

      ノリコだなんておばあちゃんにとっては人生で初めて聞いた名前なんでしょうね。確か、出会った最初の頃は覚えててくれてたはずなんですが、しばらく会わないうちに変換されたみたいです(笑)。
      ポーランド人の方が信心深い人が多いので、聖人の名前も気にする人が多いのかと思ってました。一つの名前で3日もあるんですか?!ちょっとお祝いするには多すぎますね(笑)。うちの夫も本人は全く気にしていないのですが、親戚からおめでとうメールが来て思い出すそうです。

  2. junjusia より:

    確かにポーランドはカソリック大国らしいですが、私の周囲は驚くまでに無宗教の人が多く、家族もほぼ無宗教、彼の友達でも教会に通ってる人見たことないです。どうやら事実(特に都市部)はこんなもののようです。ただ、東ポーランドや田舎ではまだまだ教会色強く、週末に郊外へ出かけたときに教会前の道路が車で埋まってて驚きました。
    カソリックでもないポーランド人には、中々息苦しい社会だろうな、とぼんやり思います。

    1. Noriko より:

      そうなんですね!教会に通うような熱心な人が当たり前に多いのだと思っていました。都市部に住んでいる人や若者の方が宗教に距離があるのはどこの国でも同じなんですね。
      周りがカトリックばかりで自分がそうじゃないと、「無宗教です」とは言い出しにくい感じかもしれませんねぇ。私も周りは無宗教の人ばかりなので助かります(キリスト教由来の文化は残ってるけど信じてるわけではない)。日曜毎に教会行く家族だったらちょっと大変だったろうなぁ、と。

  3. junjusia より:

    全く同感です。私もこの年で教会通いは無理…ですね。彼にも「お前が無宗教なのは一番のアドバンテージだ」と言われました。え、そこ?(笑)
    彼も文化としてのカソリック的なものは受け入れてますが、日本人的なイベント要素で楽しんでるだけで、ジーザスには何も感じてない様子。チェコが好きな理由に、チェコ人が宗教に頓着しないという部分も大きく影響してそうです。

    現政権に批判的な彼は、ポーランドが宗教国であることを強く印象づけたいがために教会サイドと組んであたかもカソリック大国であることを偽ってる!と、いつも怒ってます。与党の最大支持団体は教会というので納得です。

    1. Noriko より:

      パートナーと宗教観が近いのって重要なポイントかもしれませんね。たとえ違う宗教でも理解する努力はしますが、共感できないところもあるだろうし、生活習慣合わせるのだって大変そう・・・。
      政治にも宗教が大きく絡んでるんですか。junjusiaさんのおかげで最近、ポーランド事情に詳しくなってきた気がします(笑)。
      チェコは不思議なほどに無宗教ですねー。元々は他の国と同じように宗教で政治が回っている国でしたが、神様に失望することがあったりして、無宗教になったらしいです。

      1. junjusia より:

        絡みすぎてすみません(笑)。
        私もこのブログでチェコ情報に詳しくなってきて楽しいです。お隣の国なのにこんなに違う部分があって面白いなぁと思います。
        神様に失望…何があったのか気になりますね。ちなみに彼のお母さんも元々は敬虔なクリスチャンだったようですが、数々の教会スキャンダルに失望し、今では無宗教だそうです。
        宗教観と政治観はできれば近いほうが一緒に暮らしやすい、と思う、なるべく議論を避けたい日本人の私です。

        1. Noriko より:

          いえいえ、コメントありがとうございます!
          陸続きで似た言語なのに、違う部分がたくさんあるの、不思議ですね。
          あら、敬虔なクリスチャンから無宗教に転ずる人もいるんですね。無宗教から信者になる心理は理解できるのですが、物心ついた時から信じていたことを止めるのって、どんな感じだろうと思ってしまいます。
          議論の好きな国民性(ドイツ人とか)だとガッツリ議論してその後は後腐れなく、って感じかもしれませんねぇ。

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