冬にヨーロッパ旅行をするメリット・デメリット

 
わたしは縁あって現在チェコに住んでいますが、その昔、無謀にも真冬のヨーロッパに挑みたいと思ったことがあり、12〜1月の約1ヶ月間、ドイツ、ロンドン、アムステルダムを巡ったことがあります。

結論は、ヨーロッパの冬厳し過ぎ・・・

チェコへの移住後も冬にいくつかの街を訪れてみましたが「やっぱり冬は旅行に向いてない」と毎回思います。

しかし、日本からの旅行となると冬にしか時間が取れないという方も多いでしょう。正月休みや大学の春休みなど長い休暇を取りやすい時期でもありますよね。一応冬に旅することのメリットもあるにはあるので安心してください。

冬にヨーロッパを旅行することのメリット・デメリットをまとめてみました。
 

※タイトルでは「ヨーロッパ」と一括りにしましたが、北欧と南欧は含みません。あえて冬に北欧に行く人は具体的な目的があるだろうし、南欧は比較的過ごしやすいので。ここでは、日本人にとって比較的ポピュラーなヨーロッパの旅行先、「UK、北フランス、ドイツ、オランダ、ベルギー、スイス、それとチェコやポーランドなどの中欧」。その辺りの緯度の高い地域について書きます。 

 
【メリット】

航空券が比較的安い

航空券は、夏に比べると安いです。運が良ければ往復5万円台からあるのではないでしょうか。7万円出せば間違いなく見つかります。
例外として、クリスマス前後や年末年始は高くなりますが、日をずらせば夏よりは安い航空券を見つけることが容易です。
かつ、利用者が少ないためか、空いている便が多いように思います。冬の日本←→ヨーロッパのフライトで隣りに人が座っていたことがありません。

 

クリスマスマーケットが見られる(11月下旬〜12月に限る)

一年でこの時期だけの特権ですね!やはりクリスマスマーケットはスペシャルです。クリスマスマーケットという目的があるなら他のデメリットを差し置いても行く価値はあります。逆にクリスマス時期を除くと出来ることが本当に少なくなります。



 

雪景色を見れたらラッキー

タイミングによっては雪に覆われた街並みを見られるかもしれません。これも冬だけのものなので特別感があります。あまりたくさん降られると外を歩くのもままならなかったり、交通機関に影響が出るので、適度な雪であることに限りますが。
 

 
【デメリット】

とにかく日が短い!

わたしが思う一番のデメリットです。夕方4時には日が暮れてしまうため、一日に行動出来る時間がものすごく少ないのです。暗くなってから出歩くのは安全面で好ましくないので、できれば明るいうちに行動したいですし。

「日が暮れてからしても問題ないこと」を夕方4時以降にするように計画する必要があります。例えば、美術館・博物館へ行く、電車・バスでの長距離移動に当てる、など。冬のヨーロッパでは、明るい時間が貴重です。

 

クリスマスホリデー中の営業時間に注意

クリスマスから元旦までは多くの人が働きません。24・25日は何も出来ないくらいの覚悟でいた方が良いです。国・地域によって程度に差はありますが、営業時間が変則的になることに変わりはありません。観光地やお店など、行きたい場所が開いているかを事前に調べて計画的に動く必要があります。

例えば、ロンドンでは12月25日は公共交通機関さえもストップします。移動さえさせてもらえないというトラップがあります。
わたしが滞在した時は、午前中に市内を巡るバスツアーに参加(集合場所まで歩いていける場所に宿泊)、午後はランガムホテル(ホテルなので開いてる)のアフタヌーンティーに行きました。
ツアーは、祝日関係なく開催しているので、個人旅行でもそういう日だけは割り切って現地ツアーに参加してみるのも手だと思います。

26日からの様子は、国によって違うと思います。セールが始まって一気にお店がオープンするところもあれば、まだ祝日なので半日営業もしくは閉まっているところもあります。

年が明けてお正月は、元旦は基本的に休みですが、2日からは普通の会社でも仕事が始まりほぼ通常営業です。

 

冬季休業の観光スポットがある

ヨーロッパの人ってバカンスといえば夏!なんですね。冬季(11〜3月)は客が少ないのでお城や博物館などの観光施設は閉まっているところがあります。閉まっているのはクリスマスホリデーだけでは無いので注意です。

 

天気が悪い

ほとんどの日が曇天です。晴れの日でも、青空が見られる時間は正午を挟んだ3〜4時間くらい。
天気が悪いとせっかくの絶景もドンヨリです。「夏だったらもっと良いだろうな・・・ 夏にまた来よう・・・」という感想ばかり呟いてしまいます。

典型的な冬の空 ↓


 

景色が茶色い

夏だとどこへ行っても緑豊かで、何を見ても美しいのですが、冬は何を見ても「夏だったら・・・(以下同文)」となります。
冬の寒々しい感じも雰囲気がある、といえるかもしれませんが、実際身を切るような風の中にいるとなかなか楽しむ気力が沸いてきません。



 

当たり前だけど寒い

ヨーロッパの建物は保温性が高いので、建物の中にいる分には問題無いのですが、旅行だとやはり出歩く時間が長くなります。そうするとどうしても体が冷えます。

暖をとりたいと思ってもホットドリンクの自販なんてありません。カップのコーヒーが買えるものはありますが、大きな駅など限られた場所にしかありません。一日出歩いていると、体が冷え切ってしまい、そこへ時差ボケや旅行の疲れもあって体調を崩しやすくなります。旅先で寝込みたくありませんよね。

 
 

まとめ

住んでいても冬は良い季節ではないのですが、旅行にはなおさら向いていない!というのがわたしの考えです。よほど具体的な目的があっての旅でない限り、冬のヨーロッパ旅行はオススメしません

どうしても冬しか時間が取れないのであれば、気温は低いけれど、日照時間はだいぶ長くなってきた2〜3月は比較的マシだと個人的には思います。
もしくは、クリスマスの雰囲気を楽しめる11月後半〜12月。ただ、クリスマスに興味が無い人にとっては、寒いわ日は短いわで一番オススメ出来ない時期です。

季節の好みは人それぞれあるし、仕事などの都合で時期を決める方がほとんどだと思いますが、それでもやっぱり冬にヨーロッパへ行こうとしている人には反対してしまいます。ヨーロッパ内なら、気候の良い南イタリア・南フランス・スペイン・ポルトガル辺りが良いと思います。

ちなみに、わたしは真冬のヨーロッパに挑んだ翌年の冬は、タイを旅先に選びました。どれだけ懲りたかわかりますね(笑)。
 

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8 Replies to “冬にヨーロッパ旅行をするメリット・デメリット”

  1. junjunsia より:

    お久しぶりです!
    私も漠然とドイツに住みたいと思っていた時期ありました!(笑)
    ギリギリまでドイツ人と出会いたいとも妄想していて、何故か隣のずっと適当な国にやってきてしまったという…。ドイツはドイツで色々大変なこと多いようなので、最近は無駄な憧れは諦めています(笑)。

    冬の時期のヨーロッパ旅行なんて、家族でもそこに住んでいない限り本当にやることないですよね。空気も悪いし(ポーランド限定?)、norikoさんがおっしゃっているように日照時間短いし、常に天気が悪いから体感気温は実際の気温よりずっと寒いし(日本みたいに太陽でポカポカするという陽気がない)、もうネガティブな事言いだしたらキリがないんですが。

    ちなみに北海道の北のほうに住んでいる友人は、北海道の冬もヨーロッパみたいなもので、雪かきするだけの冬、一面真っ白で色のない世界、太陽が出ない日中、をいかに乗り越えるかが移住者が定住できるかのキーポイントになるといっていました。

    私は2回目のヨーロッパの冬ですが、慣れるどころか益々自律神経乱れて情緒不安定です。こんなの現地人には理解されないので、ただの面倒な人扱いされてそれも切ないです。

    1. Noriko より:

      お久しぶりです。ご結婚おめでとうございます!(ですよね?!)

      奇しくも “ドイツに憧れていたはずなのに隣りの国に来てしまった” 繋がりですね(笑)。ドイツでさえも「住むとなると大変そうだな…」と思ったのに、まさかそれより東の国に住むことになるとは予定外の人生です。住んでしまえば意外にドイツより良い点もありますが。物価とか治安とか。

      ポーランドって空気悪いんですか。私の住んでいる南部では気になったこと無いのですが、オストラバは特に冬に空気が悪いって聞くので、近いし似た感じなのかも?
      日照時間の短さは本当にツライですね!気温の低さよりも、天気の悪さが堪えます。日本の冬は気温は低くても晴れてる日が多いので気分が落ちるって感じでは無いですし。
      旅行で滞在しただけでもヨーロッパの冬にはウンザリでしたが、ひと冬丸々越すのはまた違ったしんどさがあるなぁと実感中です。

      北海道の北の方の冬って、たまに降る雪が嬉しい西日本の人間には想像が付きませんが、豪雪も毎日のこととなったら大変な苦労があるのでしょうね。しかも一年の半分くらい冬だし。

      2回目でも慣れないものですか・・・。慣れている現地人からすると、冬なんだからこういうものだよ、って感じなんでしょうか。
      私の知り合いのチェコ人女性は、「天気のせいで最近鬱なの〜」と言っていて、現地人でもやっぱり無理な人は無理なようです。うちの夫はつらいと言いつつもコントロール出来ているように見えます。なんとか冬至を過ぎたので、もう数ヶ月耐えるしかありませんね・・・。

  2. junjusia より:

    わわわ、覚えてくださったんですね!はい、無事(?)終了して配偶者の滞在許可申請してきました!ポーランド(ほかも?)は、というか私の地域の役所はしょっちゅうルールが変わって、今回も申請したのに仮受付で、後日呼び出しがあった時にやっと本受付になるとか。1ヶ月以上も先になるんだそうです。滞在許可切れる…もうどうでもいいやという気でいます(笑)いや、本心はストレスでハゲそう、吐きそう、ですが(苦笑)。

    冬のキツさは人によって違うようです。ポーランド人の友人(女性)は熊みたいに冬眠できたらいいのに、と言うくらい憂鬱と言っていますが、うちのポーランド人はポジティブ1000%なので、そういうのは跳ね返しちゃって分からない模様です…訴え続けるしかないかって感じですが。(日本人じゃないので言わないと死ぬまで気づいてもらえないw)

    オストラバもそうですが、ポーランド南部は炭鉱地域なので石炭文化が根強くて、冬の暖房で石炭ガンガン燃やすんです。燃やしちゃいけないものもくべるんです。しかも内陸で風が流れない…。北京よりPM2.5の数値が高いというのは日本では余る知られてない事実でもあります。

    咳がずっと止まらないのは、空気の悪さもあると訴えてるのですが、ここの人はそれが当たり前で暮らしてて、私が神経質みたいに思われちゃったり。勿論社会問題になっているのは分かっているようですが、外国人より感覚が鈍ってるというのが私の意見です。(あー、スッキリした!外人同士でしか共有しきれないこの不満!)

    冬は家が寒くても実家が一番と思います。来月帰国できるので、空気のきれいな田舎でじっくり療養したいと思います。

    ヨーロッパの素敵な春と夏が待ち遠しいですね。

    1. Noriko より:

      もちろん結婚式されること覚えてましたよ〜。滞在許可下りるまでは不安ですよね!私も日数的にギリギリの中での申請だったので、その間はほんと落ち着きませんでした。日本だったらいつ申請すればいつ答えが出るって確実に分かるけど、それが海外だと全くあてにならないのもストレス!よりによって気分の下がる冬に手続き関係でイライラモヤモヤさせられるとは、心中お察しします。どうかどうか出来るだけスムーズに手続きが済みますように!

      そこまで空気が悪いとは知りませんでした。燃やしちゃダメなもの燃やしてるのはなんとなく想像できます…。
      オストラバに数年間住んでいた夫に冬のオストラバの写真を見せてもらいましたが、すごいスモッグ… 濃霧ではないんですね。ずっとそこで暮らしてると鍛えられるものなのか…?!肺や器官に悪過ぎでしょう。暮らしてるだけで健康に害があるなんて真剣にやめて欲しいですね。

      帰国羨ましいっ(笑)。私は来年の夏に帰る予定があるので、この冬は我慢しようと思ったんですが、鬱的な理由でも冬の間に一時帰国の予定入れるべきだったな〜と思っています。ご実家で美味しいもの食べて綺麗な空気吸って気分も体も快復されますように!

  3. junjunsia より:

    冬場の帰国、個人的にはベストタイミングだと思っています!
    夏の日本は暑いしジメジメしていて、日本的には避暑地とされている私の実家ですらきついなぁと思ったので…。冬に帰国するデメリットは家の寒さ(しつこいw)ですが、日中は天気がいいことが多いですし、空気はキリっと澄んでいて山も綺麗に見えるし(山も重要w)、年末年始に帰れるのであれば日本の独特の年越し気分が満喫できていうことなしです。
    日本の年末年始の雰囲気ってヨーロッパのクリスマスみたいなものだと思うのですが、あの
    気分が味わえない喪失感って相当なものだと、海外で年末を迎えるたびに虚しくなってます。
    とくにヨーロッパにいたら尚更ですよね!
    太陽に元気貰って充電してきたいと思います。

    1. Noriko より:

      帰国するなら春か秋がいいなぁ、と思ってたのですが、春秋はヨーロッパも良い季節だし、今なら冬が帰国ベストシーズンだって思います!夏はワーストですよね。目的があるので真夏に帰国しますが、せっかくの帰国が夏か〜、という感じです。
      私も海外で年越ししたことが何度かありますが、大晦日〜元旦は日本恋しさが増しますね!静かに新年を迎える感じ、日本独特だと思います。クリスマスでは満たされない何かがあります…。

      1. junjunsia より:

        同じく、私もクリスマスでは満たされていません(笑)!

        1. Noriko より:

          育った環境には逆らえないですね〜・・・笑

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