チェコ最大のフォークロアの祭典「スロヴァツキー・ロク(Slovácký rok)」


 
4年に一度、南モラヴィアのキヨフ(Kyjov)で開催されるチェコ最古で最大のフォークロアフェスティバル「スロヴァツキー・ロク(Slovácký rok)」。

2019年8月15〜18日の4日間に渡り民族衣装のパレード、コンサート、ワークショップ、マーケット、展覧会など、伝統文化に関する多くの催し物が行われました。

「スロヴァツキー・ロク」とは「スロヴァーツコの年」と言う意味。
「スロヴァーツコ」は、チェコ東南部の南モラヴィア州とズリーン州の一部を含む地域のことです。行政区ではなく、文化・民族的な地域の呼び方で、当該地域ではよく使われる名前です。

チェコの多くのお祭りはキリスト教由来であることが多いですが、スロヴァツキー・ロクは宗教とは無関係で、伝統文化・衣装の継承を目的として始まったものです。1921年以来、戦時中の中止期間を挟んで、4年に一度(例外年もあり)開催されています。

主な会場は、キヨフの街の中心にある「マサリク広場(Masarykovo náměstí)」「英雄広場(Náměstí Hrdinú)」「野外劇場(Letní kino)」「公園(Městský park)」。全て徒歩10分程で周れる範囲に収まっています。

 

“Máj”を立てて開幕

通常は、5月の一ヶ月間広場に立てる「マーイ(Máj、英語名メイポール)」をスロヴァツキー・ロクの期間も立てます。どちらも歌や演奏を伴って2時間ほどかけて行われるので一見の価値あり。

設置は金曜の夕方、下ろすのは日曜の夕方。これをもってスロヴァツキー・ロクの始まりと終わりと言えるでしょう。

 

民族衣装のパレード「クロヨヴァニー・プルーヴォド(Krojovaný Prúvod)」

約3,000人が参加するクロイ(民族衣装)のパレード。キヨフ周辺の40以上の村がグループごとに歩きます。グループ毎にクロイのデザインが違うので、2時間ほどの長いパレードですが見ていて飽きることがありません。
観客の方も楽しいですが、間違いなく一番楽しいのは歩いている参加者。沿道に知り合いを見つけては手を振ったりお酒を交わしたり。


 

民族衣装のファッションショー

一年間を通して季節・行事に合わせたクロイの紹介を民族音楽の生演奏を添えたファッションショー形式で。舞台は教会の前。
聖マルティンの日の衣装には本物のガチョウも一緒に登場。

 

ユネスコ無形文化遺産「王様騎行(Jízda králů)」

スロヴァツキー・ロクの王様騎行はキヨフから約5km離れたスコロニツェ(Skoronice)村からやってくると決まっています。王様とそれを囲む護衛の集団が馬に乗って練り歩きます。3時間ほどかけていくつかの場所(お店など)を訪ねて周るので、街の中を行ったり来たり。観客もそれに付いて歩き回ります。

王様騎行の由来などについてはヴルチュノフの記事をどうぞ。

 

自然の中の子どもの遊び場

公園は子どもたちの為の遊び場に。自然の素材で作られた遊具や、動物とのふれあいコーナー、歌や劇を披露する舞台も。木々に囲まれていて気持ちの良い場所。


 
チェコ・テレビ(Česká televize)もブースを出しており、子ども向けのショーやサイン会をやっていました。写真の二人組はチェコの人気キャラクター「パット・ア・マット(Pat a Mat)」。


 

展覧会の数々

「スロヴァツキー・ロク」に関連した展覧会が街の博物館・ギャラリーで開催されます。わたしが特に楽しめたのは、過去の「スロヴァツキー・ロク」のポスター展と地域ごとのクロイの展示。他にも伝統文化を題材に制作している画家の展覧会が教会で開かれていたのも美しかったし、アーティストと一緒にドローイングが出来るコーナーでは特に子供たちが楽しそうでした。
全て近隣で、ほとんどの展示は無料なので、フェスティバルの隙間時間に気軽に見て周れます。

 

お祭りフード

期間中、広場や通りにチェコ料理や地域名物のフードマーケットが出ます。

オススメしたいチェコの定番お祭りフードは「豚の丸焼き」。調理がシンプルなので、どこで食べても外れが無く迷ったらこれを食べています。部位によって脂身多めだったりサッパリだったりするのですが、お店によっては好きな部位を選ばせてもらえます。
好みに合わせてマスタード、ホースラディッシュ、ピクルスなどを添えてパンと一緒に。写真の量は100gで80Kč(約400円)。量り売りなので欲しい分だけ買えます。


 
おばあちゃん達がその場で手作りしているバター。市販のバターとは食感が違いとろけるクリームのよう。パンに塗ったものが一枚10Kč(約50円)。


 
スロヴァーツコ地方でお祭りドリンクといえばまずワイン、続いてビールですが、ソフトドリンク派ならレモネード。自家製レモネードを売っているお店が多くあり、アルコール勢に負けず劣らず飲み比べを楽しめます。カップで買う時には濃縮シロップを水で割ってくれるのですが、原液を販売しているお店もあり気に入ったものは購入すると自宅でもいただけます。


 
もちろん数え切れないほどのワインショップが出店するので、ワイン好きな人には天国だと思います。まだシーズン本番には少し早いですが「ブルチャーク」も見かけました。

 

まとめ

「最大のフォークロアフェスティバル」と言うだけあって規模は今まで見た事のあるフォークロアイベントで一番大きかったです。期間中は市外から訪れる人が住民の数の何倍にもなるものの決して観光客向けと言う雰囲気ではなく、地元のお祭り感はきちんと残っていて、ローカル色を感じることができるのが良いところです。

二日間に渡って規模の大きな「クロイのパレード」と「王様騎行」の両方が見られるのも貴重。4年に一度という頻度の少なさゆえの人々の気合いの入り方も特別で、キヨフとその周辺の村の人々にとっては一大イベントなのだと思いました。

 
「スロヴァツキー・ロク」を見てみたいけど4年に一度じゃなかなか機会が・・・という方もいると思います。民族衣装や王様騎行がお目当てなら、下記二つのどちらかでも同じかそれ以上に楽しめると思います。

「ストラージュニツェ国際フォークロア・フェスティバル」(毎年6月末に開催)の民族衣装のパレードは、キヨフのそれよりも道幅が広く見やすいですし、「ブルチュノフの王様騎行」(毎年5月末に開催)は騎乗の人と一般客の交流が多く参加のし甲斐があります。それぞれスロヴァツキー・ロクとは違った良い点があります。

 

スロヴァツキー・ロクに行くには?

何度も「4年に一度」と書いてきたのですが、次回のスロヴァツキー・ロクに限ってはなんと2年後の2021年に開催されます。第一回開催から100周年の年に当たるため特別に行うそうです。
 
【4日間全部行くべか?行くならどの日?】

木〜日曜の四日間開催されますが、主なイベントは土日に集中しています。観たいプログラムに合わせて土日、またはどちらか一日の参加で十分に満喫できます。

  • 木曜
    博物館・ギャラリーの展示系がオープンするのと少しコンサートがあるのみで、街はほぼ通常営業。
  • 金曜
    夕方にマーイ(メイポール)を立てる作業を観られるくらいで、それ以外に必見イベントはありません。
  • 土曜
    一日だけ参加するなら土曜。一番の見所である民族衣装パレードがありますし、広場にマーケットが出るのはこの日のみです。期間中、最も人出が多い日です。
  • 日曜
    子ども連れなら日曜。子どもの遊び場がオープンし、王様騎行、マーイを下ろす作業を観られます。

上記は2019年のプログラムですので、次回以降に内容が変わる可能性はありますが、土日メインというのは変わらないと思います。詳しいプログラムは数ヶ月前には公式サイト(http://www.slovackyrok.cz/)で公開されるので具体的な予定を立てる際にはそちらを参考に。
 
【宿泊】

2019年は半径15km以内の宿は全て満室だったそうです。
近くで宿が取れなかった場合は、鉄道のアクセスが良い他の街に泊まると良いです。例えば、ブルノ。宿が多く片道1時間で行けるのでそこそこ便利です。二日以上参加したい場合だと片道1時間かけるのは勿体無いので、もう少し近いブルノ〜キヨフ沿線上のどこかがベターだと思います。

日本から来られる方にはあまり関係無いかもしれませんが、キャンプスペースもあります。(今回初めての試みだったそうなので、次回以降もあるかどうかはわかりません。)
 
【料金】

多くの催し物は無料。
夜に行われるコンサートの類が有料で250〜300Kč(約1250〜1500円)なのと、日曜に行われる王様騎行はエリアに入るために100Kč(約500円)必要です。
   
【アクセス】

最寄駅は鉄道キヨフ駅。会場までは駅から徒歩10分程。
プラハ、ブルノ、ウィーンからのアクセスはこちら↓を参考に。

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