ブルノで植物を愛でる「メンデル大学附属庭園・植物園」


 
お城や動物園にある庭園・植物園については何度か書いたことがありますが、今回は大学が運営する植物園、ブルノにある「メンデル大学附属庭園・植物園(Botanická zahrada a arboretum Mendelovy univerzity)」をご紹介します。

 
ブルノの街のセンターからトラムで15分ほど、少し高台の街が見渡せるエリアに敷地面積11ヘクタール(東京ドーム2.3個分)の広大な植物園があります。
名前の通り「メンデル大学附属」ではありますが、大学構内にあるわけではなく独立しているので(農学部含むキャンパスが近所にあります)、普通の植物園のように入園料を支払えば誰でも入れます。


 
この植物園が設立されたのは1938年。80年以上の歴史があります。

園内はテーマごとに5つのパートに分かれています。園内案内によると、「約4,000種のラン、300種のティランジア、2,000の多年草、350種のアイリスマクランサ、500種の岩石植物、4,000種の木本植物」があるとのこと。途方もない数ですが、園内の広さを見るとそれも納得。写真を撮ったりしながら普通に一周歩いて2時間かかりました。暖かい季節ならベンチで休憩しつつ半日過ごせるのではないでしょうか。


 
秋なので花のベストシーズンではありませんが、思っていたよりも沢山の花を咲いている状態で見られました。

チェコの一般家庭の庭を見ても思うのですが、同じ種類同士を集めて並べるよりも、寄せ植えのように幾つのも種類を混ぜて植えるスタイルが好まれているように思います。植物園でも同じく。手入れの行き届いた “ごちゃまぜ” はかっこいいですね。


 
まるで自然の森のようにワイルドに植わっていますが、れっきとした大学附属の植物園ですので、各植物にはちゃんとネームプレートが付いています。チェコ語名と並んで学名の表記があるので、日本語での名前を調べたい時でも検索がしやすく助かります。


 
池にはニシキゴイが泳いでいました。チェコだと「鯉」といったらまず思い浮かぶのはクリスマスディナー。食用の茶色い品種です。日本人がイメージする赤い鯉を見られる場所は多くありません。


 
わたしが訪れたのは、まだ10月上旬にも関わらず気温が東京の12月ほどしかない冷んやり寒い日。数日前から朝晩は0度に近い寒さだったおかげか、カエデが真っ赤に色づいていました。あえて寒い時期に植物園に来たのはこれがお目当てだったのでした。

チェコでも紅葉(黄葉)は楽しめますが、多くは黄色く染まる木なので、日本の所謂モミジのような一面赤く染まる景色は珍しいのです。たった一本だけでしたが、立派なカエデが日本の紅葉恋しい気持ちを癒してくれました。


 
多肉植物の展示と販売のコーナーがありました。可愛くい上に小さいのでお土産にしたくなりますが、残念ながら「土付きの植物」は輸入禁止なので、日本へ持ち帰ることは出来ません。


 
日本とは気候・土壌が違うため、日本には存在しない植物を見られるのがあえて海外で植物園に行く面白さだと思います。道端でキレイな花を見かけても名前が調べる術がなかったりするので、その点植物園なら完璧。ブルノ街歩きの息抜きに自然を楽しむのにピッタリの場所です。

 

詳細・アクセス

「メンデル大学附属庭園・植物園/Botanická zahrada a arboretum Mendelovy univerzity」

Třída Generála Píky 1
開園時間:平日7:00 – 15:00 土日は基本的に閉園なので注意(例外的に開園する日もあり)
入園料:一般 60Kč
http://arboretum.mendelu.cz/en/

ブルノ本駅から9番トラム「Lesná」行きに乗車約15分、「Bieblova」停留所下車すぐ。