アドベントからクリスマス期間が終わるまで


 
新年明けましておめでとうございます。

と挨拶するには遅すぎでしょうか。クリスマスイヴから続いた冬休み気分がようやく抜けて今週から平常に戻りました。思えばクリスマスムードがゆっくり始まったのがクリスマスマーケットが始まる11月末。随分長く満喫しました。

アドベント〜年末年始をチェコではどんな風に過ごすのか、わたしの場合と周りの様子をご紹介します。
 

11月最終週にクリスマスマーケットがオープンし始めると、どのマーケットに遊びに行こうか各地のスケジュールを見て検討します。地方の場合、自分の街のマーケットに加えて近くの大きな街まで出向く人が多いようです。わたしにとっては最寄りはブルノ。週末の夜にブルノから乗る下り列車はマーケット帰りのホロ酔いの人たちで混んでいます(そういう人混みが嫌で全く行かない人もいます)。


 
今冬は、ブルノ以外にパルドゥビツェ(Pardubice)とウヘルスケー・フラディシュチェ(Uherské Hradiště)のクリスマスマーケットへ行きました。どちらも広場一つのみでフードメインの小さなマーケット。ブルノは、観光客の多いプラハと違い訪れるのは近郊の人がほとんどですが、それより小さな街だともう本当に近所の人のみ。人混みが苦手な人には都会のマーケットよりものんびり静かに楽しめて良いでしょう。お酒と食べ物が楽しめて友達に会うことが何よりの目的なのですから。


 
マーケットが始まると同時に多くの街にはクリスマスツリーが立てられ、ライトアップも始まります。我が町キヨフでは12月1日にツリーの点灯式がありました。夕方5時(日没が4時頃なのですでに真っ暗)にカウントダウンしツリーを点灯するだけのイベントですが、一年で最も広場に人が集まる行事の一つです。寒い中たくさんの人がわざわざ足を運ぶなんて人々にとってクリスマスって特別なのだなぁと思わされます。


 

12月に入るとアドベントカレンダーを開け始めます。アドベントカレンダーは10月からスーパーで見かけるようになり、買うのが出遅れると良いものが売り切れるので早くから買って部屋に飾り、1ヶ月ほど眺めた末にようやくお菓子にありつけます。
クルテクやヨゼフ・ラダのようなイラストが可愛いカレンダーはこれまでに買ってきたし(しかもそれらは毎年全く同じデザインなので・・・)、今回は味重視でリンツの小ぶりなものを選びました。

 
12月中旬になると個人的には毎年とても楽しみなクリスマスツリー購入。
日本だとクリスマスツリーを飾る期間は、12月上旬前後から12月25日までが多いと思いますが、チェコでは設置も片付けももう少し後ろ倒しです。

ツリー屋で購入するのは中旬でも、しばらくは涼しいところに保管し、24日、もしくはその直前にリビングへ持ち込んで飾り付ける家庭が多いそうです。住宅街を歩いていると買った際に包んでくれるネットにくるまってベランダに置かれているツリーを目にします。


 
わたしはせっかく買ったツリーを長く楽しみたいので、買ったらすぐに飾り付け、家族のためのプレゼントを買ったそばからツリーの足元に並べ始めます。ラッピングされたプレゼントが徐々に増えていくのもクリスマスまでのカウントダウンのようで楽しいのです。

今冬は、まとまった数の藁のオーナメントをブルノのクリスマスマーケットで買いました。一つたったの150〜250円ほど。国産&ハンドメイドでも手頃な値段で雑貨が買えるのはチェコの良いところです。


 
 
クリスマスイヴ24日の夜は、家族と共に。都合がつく限り大半の人が帰省し家族と過ごします。24日の午前中はまだ仕事をする人もいるので、午後に店が早じまいを始めて人々が足早に帰宅する様子は一昔前の日本の大晦日に似たものがあります。

わたしは近所に住む義母の家でディナーをいただきました。メニューは、チェコの伝統に倣った鯉のフライとポテトサラダ。初めの年こそ「鯉か・・・」と微妙なモチベーションでしたが、そのときに食べたものが美味しかったので、食べず嫌いは返上して以降は楽しみになりました。

チェコ人の中には、魚が苦手、または特に鯉が苦手でクリスマスにはターキーやポークを食べる人も多いそうです。よそのお宅から鯉のフライをおすそ分けしてもらったことがあるのですが、臭みが強く残っていてあまり美味しいものではなかったので、もし最初に食べた鯉がこれだったらわたしも鯉苦手になっていたかもしれないな、と思います。まだ自分で作ったことはありませんが、美味しく作るには調理の難しそうな食材です。


 
チェコのクリスマスおやつはケーキではなく何種類ものクッキー。何日も(人によっては何週間も?)かけて沢山の違う種類のクッキーを焼きます。カタチが違うだけとかではなく、材料も作り方も全く違うクッキーが10種類以上。労力を考えると気が遠くなりそうです。今は幸い義母からたくさん分けてもらえるので、わたしは作る必要無し。絵を描くのが楽しいペルニークだけ焼くことにしています。



 
25日には、イヴに会わなかった家族を訪ねたり訪ねられたりしてプレゼント交換。
ツリーの足元に置いたプレゼントの包み紙から自分の名前が書かれたものを探す大人も子どももワクワクする時間です。子どもにはオモチャ(事前に親にリサーチ)、大人には食べ物や生活必需品など。
チェコでは、クリスマスプレゼントを運んでくるのはサンタクロースではなく「イェジーシェク(Ježíšek)」という天使ですので、わたしの幼い姪と甥の場合、イェジーシェクからのプレゼントを自宅で見つけた上に、イジーシェクは叔父叔母(私たち)・祖父母の家にもプレゼントを用意してくれている、という設定。なんとも太っ腹な天使です。

クリスマスが終わった後、26日は祝日で、27日からは平日なので通常通り。とはいえ、大晦日までの中途半端な平日期間は連休を取って雪山へスキー・スノボに行くのが人気。ゲレンデに行ってないのはうちだけか?と思うほど、特に子どものいる家庭にとっては冬の定番レジャーのようです。一方、27日からセールを始める店が多いので、街は街で混雑しています。

 
大晦日と元日は、日本のように厳かに過ごす雰囲気では全くなく、花火を打ち上げて盛り上がるタイプの年越しです。
我が町では大晦日に広場で市長自らグラーシュを振る舞うのが恒例で、初詣の振る舞い酒っぽさがあるなぁ、と一人しみじみ。


 
市主催の盛大な花火だけでなく個人でも打ち上げ花火を用意して(スーパーに売っています)、カウントダウンと共に打ち上げます。住宅街の至る所からパンパン花火が打ち上がる様はそれまであまり見たことがなかった光景。ちょっとうるさいほど賑やかです。そんななので、大晦日は花火で指を失ったり、室内で花火をして火事を起こしたりするアクシデントが多く消防士さんや救急センターの繁忙日だそう。新年早々のニュースで今年は何人が怪我をして何件の火事がありました、との知らせを聞いては同情するのがお決まりです。


 

元日はチェコでは「チェコ共和国独立記念日」の祝日でもあります。12月25日もそうですが、元日も本当に全ての店が閉店し、出かける先も無いので家でゆっくりするしかありません。今年の元日は冬には珍しい快晴だったので新年特有の澄んだ空気(ありますよね?)を吸うため散歩に出てみましたが、見かけたのは犬を散歩させる人だけでした。

2日からは基本的には街は通常営業。役所やスーパーは開いているものの、今年は5日の日曜まで休んだ人も多いように見えました(街の雰囲気を見る限り)。
 
 
そしてやっと公式にクリスマス期間が終わるのが6日の「公現祭」。チェコでは、「東方の三賢者(チェコ語ではトゥジ・クラーロヴェー/Tři králové)」と言えば公現祭の日、またはその行事を差します。

今年は前日が日曜だったので6日ではなく5日に行ったところが多そうですが、「東方の三賢者」に扮した子ども達が家や商店を訪ね、寄付を募るチャリティー行事となっています。
寄付してくれた家のドアには「C † M † B † (その年の数字)」とチョークで書きます。雨に濡れる場所でもない限り簡単には消えないので、一年中目にするものです。


 

公現祭をもってクリスマス期間は完全に終了!長い人だと12月24日〜1月5日まで2週間近くあった休暇も終わり。

年明けまで開いているクリスマスマーケットが店じまいするのも6日前後、家庭のツリーもそろそろ片付けなければいけません。たとえ片付けたくなくても生木はちょうどこの頃に匂いが悪くなってくるので否が応でも捨てざるを得ません。

 
という感じの一ヶ月と少しでした。冬の一番楽しい期間。

チェコは四季がはっきりあり季節ごとの行事も色々とありますが、その中でもこれほど一つのこと(クリスマス)に老若男女の意識が集中するのは他にはありません。一年で最も陰鬱な天気の時期を勢いで乗り切るために必要なのは日光よりもクリスマスなのでした。

それでは、2020年もどうぞよろしくお願いします。
 

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